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見立病院、弘前大の研究不正の究明はマスコミにかかっている!

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佐藤敬弘前大学長らの論文不正に関する弘前大学の記者会見で次の事が示された。

「同大では、6月に入ってインターネットのブログ記事で、佐藤学長が関わる論文の取り消しがあったとの指摘を受け、調査を開始。」(m3.com 2016.6.17より

これは私のブログ記事だと推測する。リトラクションウォッチも報じたが3論文の撤回記事で佐藤敬学長の事を言及しなかったし佐藤敬学長が関わっていると明示的に最初に報じたのは本ブログだからだ

私は弘前大学が匿名ブログの指摘で調査を開始した事はいいと思うが、JAMAの調査依頼や懸念表明を無視した事は著しく不適切だと思う。JAMAが不正の疑いがある旨を公式に懸念表明し調査依頼したのはかなり重い。それを無視して私かリトラクションウォッチなのかわからないが、私人のブログの指摘でようやく動き始めるのは著しく不適切ではないか。

佐藤能啓は見立病院を退職して雲隠れし、他の著者は名誉著者を理由に逃げ切る戦略で、弘前大学は文科省ガイドラインに反して調査をせず、これからも実施予定はないという。これは明らかに隠蔽の意図だ。

本件の実態は悪質な捏造、改ざんを常態的に繰り返した事件で、脳梗塞の患者に葉酸とビタミンB12を投与すると骨折リスクが下がる等の重要な臨床研究の結果を偽って患者に害を与える危険を作る等社会的にも許し難い。佐藤能啓、佐藤敬ら他の共著者、見立病院、弘前大学等は雲隠れとトカゲの尻尾切り作戦で何とか社会的に重大な研究不正の責任をごまかそうとしている。

弘前大学が記者会見したのは本ブログ等の指摘でマスコミに取材されたので、佐藤敬学長は名誉著者で捏造、改ざんに関与していないので責任はない事をアピールするため先手をとったのかもしれない。ただ、これは佐藤敬がそう言っているだけで調査してみないと信憑性はない。

これから先の追究はマスコミや薬害オンブズパースン会議の追究がどれほど厳しいかにかかっている。たとえ有名人が顕名で活動しようと私人のブログではこれ以上の追究は無理だ。匿名の無名ブログの記事が論文撤回から約2週間で大学の公式記者会見や小さい記事でも全国新聞等の報道に結びつけられただけでも成功し貢献できた方だ。STAP事件の時もそうだったが、これほど早く報道されたのはネットの活動の貢献だ。早く報道され問題を世間に知らせる事ができれば、それだけ世間の関心を維持しやすく不正の隠蔽がしにくくなるし証拠の散逸も防げ、追究もしやすく原因や動機の究明、再発防止に役立つ。今後患者や研究者が害悪を受けにくくなる事にも役立つ。早く報道に結びつけられた事には価値がある。

しかし、ここから先はマスコミの力が欠かせない。ディオバン事件の時も最初は大学が不正を隠蔽しようとした。それを防いだのは毎日新聞とフライデーが大きく報じたからだ。それがなければ隠蔽されていた。今回も同様でマスコミの追究が緩ければ隠蔽されて終わるだろう。上で述べた悪質な研究不正はごまかされ、今後も同様の事件で患者が甚大な被害を受ける危険が続く。

現在は残念ながら強制調査権を持つ第三者調査機関はない。現在は匿名のネット活動、顕名の活動、マスコミがそれぞれの良さを活かして追究する事が最も実効力がある。見立病院、弘前大学の不正事件は現在マスコミの追究にかかっている段階だ。だから、私はマスコミの活動に期待する。

とはいいつつも本件はディオバン事件ほど大きくはないし、正直マスコミもどこまで追究するかよくわからない。所属機関が隠蔽にはしると新聞やテレビは報道がそこそこ難しいし、売り上げ等に結びつきにくいなら、ほとんど報じられず隠蔽されて終わる可能性もそこそこ高いと思っている。

これではまずいのだが、所属機関が適切に調査する気がないとこれが現状なんですよねー。前からずっと主張してますが、強制調査権を持つ第三者調査機関をはやく作りませんか?


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