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井上明久らの試料外観写真の切り貼り

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井上明久元東北大学総長の研究不正事件は告発から3年以上経過したが未だに調査中。長すぎる。井上氏の問題は疑義がたくさんあったので何度も通報され、ごく一部だけ調査され結論が出されたものがある。2010年頃に大村泉氏や高橋禮二郎氏らによって通報された材料の外観写真の流用と切り貼りの疑義は一部で不正なしと判断された。


画像1 井上明久氏らの試料写真流用と切り貼り [1]

2010年には画像1の下の2つだけ流用と切り貼りが指摘され、東北大学は対応委員会という規定にない委員会を作って調査を行った。


画像2 東北大学対応委員会の回答 [2]

東北大学対応委員会は画像2の理由で不正なしと判断した。対応委員会は「Ag5%試料の外観写真を撮り直さねばならないという必然性は無い。」と述べたが、これは誤判で新たに外観写真を撮り直さないと試料の大きさを正確に示せずミスリーディングになるため、再撮影が必要となる。それをせず画像1の一番下のように異なる機会に作製した試料の外観写真を合成し、一方の写真の定規で大きさを示すのは切り貼りした試料の大きさを誤解させるので改ざんである。

写真をとった事のある人なら誰でもわかるが、一般に撮影は被写体までの距離やズームが異なる。だから画像1のように定規を基準に大きさを表示する場合は必ず同じ撮影写真の中に全ての試料をおさめないと大きさを正確に示せない。画像1の一番下の写真のように新しく作った試料を別に撮影し、過去に撮影した試料と定規の写真に切り貼りして表示するのは切り貼りした新試料の大きさを正確に表していないし、故意に行わなければ画像1の一番下の表示はできないので改ざんである。

ただ、悪質かどうかは生データを見てみないとわからない。実際の試料と比べると大きさや形状が大きく違うなら悪質かもしれないが、それほど違わないなら軽微だろう。たぶん井上氏らはあまり大きさが変わらないので、異なる写真を合成し一方の写真の定規で大きさを表示しても構わないと考えたのだろう。1997年頃でも井上氏はシニアの研究者で、認識の甘さによる責任は若手に比べて重いと思う。

2010年は井上明久氏が東北大総長を務めていた時期で、対応委員会による調査は文科省ガイドラインや東北大の内部規定にない特別な扱いで、最初から不正なしと判断するためのいい加減な委員会だった。だから画像2のような判断になったのだろう。その後の調査でまた新たに画像1の1番上の画像の流用が判明したので新たに通報したのかもしれない。

対応委員会は里見進総長に替わっても設けられ、井上明久氏の不正疑義の一部を否定し外部調査を見送った。昨年のSTAP事件で疑義が指摘され報道もされた場合は調査する規定になっていたが、それに反して理研は論文撤回を理由に調査をしないと公言したように、研究機関の内部規定や文科省ガイドラインは拘束力がなく実効性がないと思う。井上事件等を理由にORIの創設が叫ばれたが実現していない。

井上明久事件は告発や調査開始からずいぶん時間が経っていても未だに解決していない。いいかげんに決着をつけねばならない。

参考
[1]河北新報 記事とその写し 2013.3.22
[2]井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)の資料写し、2011.9.8


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