紳助は自殺ではなく真犯人が紳助を殺して文珍殺しの罪をなすりつけるためにアフリカの星と偽の書置きを置いたのです。
確かに、くるよが容疑者から外れた事や端的解説7、8からダイヤ盗難説の点では紳助が現時点で最も有力な容疑者でした。
しかし、(2-3)のまとめのとおり近いうちに大金が手に入ると言っており、亡くなる直前も「これから大事な用がある」と言っていた人がなぜ突然自殺するのでしょうか。
そういう人が自殺するのは不自然です。さんまも怪しいと言っていましたね。
それに、これで所有者にダイヤを返して事件が解決したら、ゲームの展開として不自然だし、納得できません。
なぜなら、謎がいくつか残されたままです。例えば闇の帝王は目星がついてますが、まだ追い詰めていません。犯人が真相を書いた遺書を残して自殺し事件解決というのは、プレイヤーとしてはとても不満です。
あやこにアフリカの星を見せると
「私は紳助さんが自殺したなんて とっても信じられない。これも何かの陰謀だわ。
何かの参考になると思うの。私はいらないし、お父様にも渡さないで持っていてくだすって結構よ。」
と言われます。
そう、これは真犯人の陰謀なのです。ですから、絶対にアフリカの星をたかゆきに渡してはいけません。あやこの意見を聞いておきましょう。
もし渡してしまうと、書置きの内容が真相で犯人は紳助、盗まれたアフリカの星も所有者に戻ったので事件解決となりエンディングとなります。
これは真犯人の思う壺で、一番望んでいた最後です。真犯人の陰謀に騙されて終わるのは悔しいですね。
当然これはバットエンドで、
「おしまい
・・・と思ったら大間違い!
これは、本当の終わりではありません。
まだ事件は解決していないのです。
早く真犯人を捕まえてください!」
と表示されます。こうなるとリセットしないと戻れません。必ずパスワードかセーブをとるように言ったのはこのためです。
バットエンドまで出すとはっきりしますが、紳助は犯人ではなく、真犯人に殺されたのです。
ということは、真犯人が文珍殺しの罪をなすりつけるために偽の書置きを作って、アフリカの星とともに現場に残したという事になります。
(厳密にいうと、「紳助がアフリカの星を盗んで、別人が文珍を殺した。近々大金が手に入ると自分で噂を流した事から紳助がアフリカの星を持っていると犯人が気づき、自分の罪をなすりつけるために紳助を殺し、偽の書置きを置いた。殺される時に紳助がアフリカの星をたまたま持っていた。」という可能性も考えられます。これだとアフリカの星の窃盗と文珍殺害が無関係になり、アフリカの星を盗んでいない犯人が金庫室で文珍を殺す動機がなくなります。犯人は別の場所で文珍を殺して、ダイヤ盗難説を捏造するために文珍の死体を金庫室に運んだ事になりますが、パーティ時に紳助がアフリカの星を盗んだ事を知り得ない犯人がダイヤ捏造説を捏造するために文珍の死体を金庫室へ運ぶ事は無理です。よって、この可能性はないと判断すべきです。帰結として、紳助がアフリカの星を盗んだのではないので、紳助を殺した犯人がアフリカの星を持っていて、現場に残した事になります。)
そう、文珍と紳助の殺害犯は同一人物です。
そして真犯人はアフリカの星を持っていた人物という事になります。なぜなら、アフリカの星を持っていた人物でなければ現場にアフリカの星と偽の書置きを残す事ができないからです。真犯人は紳助に罪をなすりつけるどころか墓穴を掘りました。
誰がアフリカの星を持っていたのか推理してみましょう。
状況を整理すると、
くるよは既に容疑者から外れています。ペンダントの落とし主と強く推認されるシローやその上司で闇の帝王と推測されるのりおは、端的解説8のとおり、アフリカの星を盗めなかったと考えられます。もちろん、真犯人が罪をなすりつけるために紳助の殺害現場にアフリカの星を残したのですから、紳助も盗んでいません。
サブローは(2-3)のとおりホールにずっといたというアリバイがあり、いくよも証言しています。それにこれまでの捜査で怪しい点が何も出てきません。
阪神は気が弱く、悪いことができる人ではない感じです。本人はホールから一歩も出ていないといい、いくよの証言もあるためアリバイが成立します。
巨人は第一発見者なのでアリバイがありませんが、ダイヤ盗難説よりもネタ本説での殺害が疑われ、ネタ本狙いならダイヤまで盗む必要はなく、ダイヤまで盗んだのは不自然です。だからネタ本説は最初から疑問のある説でした。ネタ本だけでなくアフリカの星にも関心があって、両方を盗んだという可能性も考えられますが、巨人はアフリカの星に関心を示していたとか急に大金が入るというような証言はなく、アフリカの星の点では何も怪しい点が出てきません。だからアフリカの星を盗んだ可能性は低いです
いくよはホールにいたという自供があるだけで、アリバイの裏付けはありませんが、この人もこれまでの捜査で怪しい点が何も出てきません。また(2-3)のまとめのとおり、パーティ時に特に変わった様子はなく、まじめで事件を起こすような人ではないという証言があります。
やすしはそもそも事件時よしもとの別荘にいませんでした。
残りのパーティ出席者はあやこですが、あやこが真犯人ならアフリカの星を見せた時に上のような事を言わないでしょう。真犯人ならアフリカの星を所有者に戻して事件を終結させることが一番の狙いですから、アフリカの星を見せた時に「私があずかって父に渡す。」とか「お父様に渡してください。」と言ったはずです。
また、(1-3)で述べたとおり、状況からあやこはパーティに出席したと述べましたが、ゲーム中では出席した事の明確な言及や聞ける項目に「アリバイ」がないんですね。ここまできたので端的に書きますが、あやこは事件の依頼者で最初から容疑者から外れているという設定なんですね。だから容疑者となるパーティ出席者を尋ねた時に外れており、アリバイの項目がないのです。(注、そういう理由で今後は容疑者とパーティ出席者からあやこを外して言及します。)
以上を総合すると、パーティ出席者全員がアフリカの星を盗めなかった又は盗みそうにない人物という事になります。
では、アフリカの星を持ってたのは誰か?
ここまで言えば、もうおわかりでしょう。真犯人はあの人です。(ここまで言えばもうほぼ無意味ですが、一番の核心なので終盤で確定的になるまで”あの人”と書きます。)
アフリカの星は本当に盗まれたのか疑問です。ダイヤ盗難説が怪しくなってきました。そもそも、この説自体が真犯人の陰謀だったのでは?ダイヤ盗難説を言い出したのはあの人でしたね。
また、(2-2)で述べた紳助のパーティ時の様子や行動について推理してくださいと述べた事を思い出してください。紳助はパーティ時ギャラの直談判のために息巻いていたのに、(1-3)であやこは「そわそわしていた」と証言し、(2-1)でもサブローが「落ち着きがなかった」と証言しました。
端的解説4では「・・・ただし、紳助が文珍を殺したために態度が豹変した可能性も否定できません。」と書きましたが、現時点でこの可能性は完全に消えました。
端的解説4で述べた「紳助はパーティ時ギャラの直談判のために息巻いていたのに、たかゆきの部屋で何かあったので態度が豹変し、そわそわし、落ち着きがなくなった」という推理が正しいという事になります。
端的解説4で書いた「だいたい察しがつく」と書いたことが、正解のようです。推理ドラマやゲームでは本当によくあるケースです。典型的ともいえます。
だから紳助はパーティ時に息巻いていたのに、態度が豹変して落ち着きがなくなり、借金がいっぱいあったのに近々大金が手に入ると言い、殺されてしまったんですね。
つまり、真犯人が紳助を殺害した動機は文珍殺しの罪をなすりつける事以外にもう一つ重要な動機があったのです。
こう推理すると、状況がずいぶん整合的だとわかります。推理が正しいことの証拠です。
でも、疑問が残ります。あの人が真犯人だと、まず文珍殺害の動機が不明です。当然、ダイヤ盗難説、ネタ本説は違います。全く別の動機になりますが、これまでの捜査で明らかになっていません。これはこれからの捜査でわかるのでしょう。
最大の疑問はアリバイです。あの人にはアリバイがあり、あの人も「みんなに聞いてくれ。」といって自信ありげでした。現に複数の人から裏付けがとれました。
アリバイが崩れない限り、あの人を捕まえる事はできません。
ピンとくる人も多いでしょうが、これは推理ドラマやゲームでよく核心となるアリバイトリックです。
他の推理ドラマやゲーム同様、アリバイトリックを解いて、真犯人を追い詰める事がこのゲームのクライマックスです。
アリバイトリックには時間、場所、人などいろいろな種類がありますが、何のトリックかわかるはずです。
あの人が真犯人なら金庫室で文珍を殺害する動機はありません。盗む必要がないからです。文珍の死体が金庫室にあったという事は真犯人が金庫室へ行ったのは確実です。
では、あの人が金庫室へ行った真の目的は何でしょうか?当然、ダイヤ盗難説を捏造するためです。
そう、これは場所に関するトリックですよね。
文珍が本当に殺されたのは金庫室ではなく、別の場所で、金庫室に死体を運んでアフリカの星の窃盗犯による犯行と見せかけたのです。
当然、これは金庫からアフリカの星が盗まれたと見せかける事ができる人物の犯行で、しかもダイヤ盗難説によって自分への疑いをがそれる人物です。
金庫の中にアフリカの星があった事やダイヤ盗難説を言い出したのもあの人です。ダイヤ盗難説はあの人の陰謀です。
やはり、真犯人はあの人です。
だとすると、パーティ時のあの人の行動を考えると、文珍が本当はどこで殺害されたのか、見当がつきます。
パーティ時に紳助の様子が豹変した事から「だいたい察しがつく」と言いました。これと整合的です。
では、どの様なアリバイトリックだったのでしょうか。つまり、どうやってあの場所から金庫室へ文珍の死体を運んだのでしょうか。
現段階でその詳細を突き止める事は難しいと思います。論理的に考えるとある程度想像できるかもしれませんが。
しかし、アリバイトリックを解く鍵がどこにあるかは自ずとわかるでしょう。
(1-3)と(1-6)の違いを考えると、あの場所には何か秘密があります。その秘密こそがアリバイトリックを解く決定的な鍵となるものです。
だから、あの人は調べさせてくれなかったんですね。
ゆえに、後であの人がいない時に調べる事ができれば、アリバイトリックを解くことができるでしょう。
このゲームを最後までプレイした人でも気づかなかった人がいたかもしれませんが、このゲームは最初の方から重要なヒントが出されていたんですね。
推理小説は少しも無駄なところがない作りになっている事がありますが、私は少しそういう感じがしました。
なかなか良いゲームだと思います。