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純粋芸術と大衆受けする芸術の違い

皆さんは絵画が好きだろうか。もし好きな人なら同じ画家でも展覧会の作品と販売用の作品では全然違う事が多々ある事を知っているだろう。

例えば日本画家の岩波昭彦氏の販売用作品はニューヨークの摩天楼の絵などで、日本画が好きな人ならこの種の絵をみればすぐに岩波昭彦氏の絵だとわかる。しかし、彼が院展で出す絵は全くこのようなものではなく、販売用の作品しか知らない人は岩波昭彦氏の作品だとわからないかもしれない。

なぜ違うかといえば、展覧会と販売用では目的が違うからだ。展覧会は上位入賞を目的とするから審査員受けする作品を作る。その審査員は専門家だから、純粋芸術又は専門的な側面で絵画を評価する。一方で販売用はお金儲けが目的だから大衆受けする絵画になる。

音楽も同様でコーラスやオーケストラ曲は高尚なもので、ポップ曲は大衆受けするものだ。人の嗜好はそれぞれだから、好きな芸術もそれぞれだろう。

上のように考えて見ると、純粋又は専門的方向で芸術を追求すると、だいたい大衆受けせず金儲けに適さないものになる。前に漫画家の浦沢直樹氏が人間の深い本性などの描写を追求して、その質が高ければ読者はついてくると思ったが、人気が出なかったという事がああった。それも同様の事かもしれない。

前に音楽を学んだ時に、作曲家のスポンサーが王族、貴族から大衆に替わった時に、純粋又は専門的芸術からわかりやすい芸術を求められ、音楽の質が下がったと教えられた。芸術の質でもいろいろな側面があると思うが、純粋又は専門的芸術は金儲け又は大衆受けとは関係ない分野でないと発展しないのかもしれない。

純粋、大衆受け、どちらの芸術も必要だ。


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