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ピタゴラス数が無数にある事の証明

a2 + b2 = c2 を満たす正の整数の組み合わせをピタゴラス数という。例えば(3,4,5)、(5,12,13)など。ピタゴラス数は無数にある事が知られている。今回はその証明を紹介する。証明は自作。

[証明]

bを3以上の素数とする。

b2 = c2 - a2 = (c+a)(c-a) ・・・ (1)

a,c,b2は正の整数だから、c+a,c-aも正の整数で、c+a>c-a。bは素数だから、

c + a = b2  ・・・ (2)
c-a = 1    ・・・  (3)

(1)、(2)を解いて、

c = (b2+1) / 2 ・・・ (4)
a = (b2-1) / 2 ・・・ (5)

bは3以上の素数だからb2は奇数でb2+1とb2-1は偶数かつb2+1 > b2-1 ≧ 8。(4)、(5)よりa,cは正の整数。よって、(a,b,c) = ((m2-1) / 2 , m , (m2+1) / 2)(ただし、mは3以上の素数)はピタゴラス数。

[補足]より、3以上の素数は無数に存在するので、(a,b,c) = ((m2-1) / 2 , m , (m2+1) / 2)(ただし、mは3以上の素数)も無数に存在する。

[証明終了]

[補足] 素数の個数が有限だと仮定する。有限ならば最大値が存在し、それをpとする。

M = p ! + 1

とすると、M > p で M はp以下のすべての正の整数で割っても割り切れない正の整数。従ってMを割り切れる数はMと1だけで、Mは素数である。これはpが最大の素数である事に反する。

従って素数は無数に存在する。

[補足終了]

高1までの数学でも証明できる結構簡単な証明。

wikipediaによると

--

自然数の組 (a, b, c) が原始ピタゴラス数であるためには、ある自然数 m, n が

m と n は互いに素 m > n m − n は奇数

を満たすとして、

(a, b, c) = (m2 − n2, 2mn, m2 + n2) or (2mn, m2 − n2, m2 + n2)

であることが必要十分である。上記の (m, n) は無数に存在し、2mn は重複しないから、原始ピタゴラス数は無数に存在する。

--
リンク先より

上の事を知っていれば中学生でも簡単に証明できるが、(a, b, c) = (m2 − n2, 2mn, m2 + n2)を自力で見つけることなく証明しても不十分な感じがして面白くない。そこで私は上のように考えたが、他にも証明方法があるだろう。

なお、an + bn = cn (nは3以上の自然数)は正の整数解がない。これをフェルマーの最終定理といって、350年以上証明されずA.ワイルズが証明に成功した事は有名。もっと簡単な証明が発見されるとよい。

よく、一般の人が「こんなの証明して何が面白いの?」、「こんなの証明して何の役に立つの?」というが、数学は漫才やバラエティ番組などのように大衆受けする通俗的な面白さを追求する学問でないし、企業が行う営利目的の研究開発でない。

数学や物理学の発展が現代社会の繁栄に大きく貢献した事を考えれば、自然科学の研究成果は将来的に大きく役立つだろう。


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