各分野の研究不正発生件数、研究者割合 [1]
生命科学系の研究不正が一番起きやすいと思われがちである。確かに研究不正が起きた件数は生命科学系がかなり多い。しかし、それは生命科学系の研究者数が多いからである。医・歯・薬学分野(30.7%)についで研究不正が発生した割合が高いのは商学・経済学(11.4%)、教育学(11.4%)である[1]。しかも、商学・経済学と教育学は不正発生割合が研究者割合の約2倍かそれ以上である。概して文系は研究者割合に比して不正割合が高く、理系は逆になっている。
STAP事件やディオバン事件など理工分野で大きな研究不正が続いたので理系、特に生命科学系では研究不正が続発しやすい環境だと思うかもしれないが、最も研究不正が起きやすい分野は経済学や教育学といった分野かもしれない。生命科学系はリトラクションウォッチなど研究不正を取り締まるネットユーザーたちがいるので近年大きな研究不正が発覚しているが、私の知る限りその他の分野で生命科学系のような追究者を知らない。それでも経済学や教育学は研究不正の発生割合が高い。
STAP事件の影響で生命科学系ばかり研究不正の取り締まりが叫ばれるが、最も積極的な取り締まりが必要なのは経済学や教育学といった分野かもしれない。省庁や学術会議はこのような点を考慮して研究不正対応政策を検討した方がいいと思う。特に経済政策は巨額なお金に影響があり、不正があると被害が大きいことがある。例えば不当に税金を搾り取られていたら、たまったものではない。省庁、学術会議は研究不正の対応策をきちんと検討し、研究不正を取り締まってほしい。