毎日新聞記者の鳥井真平さんがハゲタカジャーナルの報道で2019年の科学ジャーナリスト賞を受賞した。おめでとうございます。
白楽ロックビル氏は「ハゲタカジャーナル」という言葉を推奨していないので、本稿ではどのように扱うか迷った。本稿では捕食出版という言葉を用いる。鳥井さんの捕食出版に関する報道は精力的で学術界の改善に大きく貢献したと思う。各研究機関で捕食出版の改善の活動が行われるようになったのは良い啓発効果だと思う。非常に素晴らしいと思います。白楽ロックビル氏のブログをみると捕食出版は結構壮大で単に高額な費用をとって論文を掲載するというだけでなく、かなり組織的に悪質な出版活動をやっている。国際的にこういう悪質な出版をやっている人や団体が存在するので、日本でもきちんと改善活動を継続していく事が重要ではないか。
他にも悪質なメガコレクションも問題で、審査をすることなく著者のいうことを鵜呑みにして高額な掲載費用と引き換えに捏造隠蔽や撤回回避のための悪質なメガコレクションを掲載する学術誌が存在する。その点では捕食出版と同様ではないかと思う。これも前から主張していることだけど、分子生物学会の倫理フォーラムで言及された事はあるものの報道レベルで取り上げられた事はない。ぜひ報道されて啓発効果が出てほしいと思う。
思えば、鳥井さんのように学術に関する報道で世間によい啓発効果を出して改善活動を実現させていく貢献をするのは素晴らしいと思う。報道機関に所属して顕名の活動をするのは、表彰とか昇進とかそういう利益が得られるのがとても良いと思います。
私は10年以上研究公正の問題を扱って、この分野ではそれなりに知名度と影響力を獲得して、世間に啓発効果を出して、例えば文科省ガイドラインの改定とか研究倫理活動が活発に行われる様になったり全国ニュースやサイエンスでの紹介とかいろいろ良い効果を出せてきたかもしれないが、匿名のためこの分野では収入増や表彰、昇進は全くなし。あるのはハラスメントとか嫌がらせばかりで、いい事がありませんね。
日本の研究公正はこれまで私や11jigen氏や論文撤回ウォッチ氏、夢見る掃除人氏、Ordinary_researchers氏、ミスコン・プレイ 研究不正・盗用氏といった匿名活動家によって支えられてきた部分があるが、利益なく不利益ばかりでほとんどの人がやめてしまった。私もポストとか表彰とか、そういうものが欲しいと思わなくもない。最近某人物から有料執筆依頼を頂いて嬉しく思っている。しかし、匿名だと報酬を受けるのも難しいんですよね。
日本も大学や民間で研究公正のための専門ポストを設けて人を雇ったり表彰の仕組みを作ってみてはいかがだろうか。そういえば前に某教授から11jigen氏の追究活動の蓄積と技術は相当なもので、これを調査研究の基礎にしたら大きいのではないかと言われた。私も11jigen氏の蓄積はすごいと思う。研究不正の調査研究や論文発表とかで貢献活動をしていくのはどうでしょうかという件で11jigen氏に連絡を出したかったのだが、公表されていた彼のメールアドレスは使われておらず、ツイッターも使われていないため連絡をとる手段がなく、連絡できなかった。彼は報道機関には正体を明かしていたと思う。STAP事件や加藤研の事件などで実績があるから教授のポストなどを用意して調査研究をして頂いてはどうだろうか。たぶん11jigen氏は博士号を持っているだろう。
11jigen氏もハラスンメトはいろいろ受けたかもしれないが、恩恵をもっと受けていいと思う。記者が報道実績で教授に転出する事もあるから、11jigen氏も実績で教授になってもいいんじゃないかな。