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広島大学教育系で盗用、停学2ヶ月!

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広島大学教育学研究科後期課程院生が紀要2報で盗用した[1]。停学2ヶ月、2論文は削除された[1]。匿名通報で発覚。

広島大学の調査報告書写し)、トップ写し

相変わらず不正行為者の氏名公表はない。規則に反している。調査報告書によると院生の研究倫理に関する知識の乏しさや誤解が原因のようだ。

『大学院生の先行文献の取扱いに関する考え方に研究者に通常求められるものとの乖離する部分があり、参考にした先行文献については「自分の文言に言い換えるといったオリジナリティが加わっていれば引用元は示さなくてもよい。」とし、「研究ノート」については出典の明示は必要でないとの独自の考えを有している。しかし、参考にしたと言いながら、実質的に先行文献をほぼそのまま引き写したにもかかわらず、引用の明示を行っていないという事例が多々見受けられ、また、「研究ノート」についても研究論文の範疇であり、出典を明示することは当然である。』([1]より)

たぶん院生は研究ノートは論文でないとか文章を少し言い換えれば自分のオリジナルだと勝手に思い込んでいたのだろう。教育系では研究倫理の専門家でさえ盗用疑義が指摘され調査中だ

さらに本件は出版倫理でも不適切と思われる扱いがあった。

『当該紀要の刊行規程において、編集委員会の査読がある旨規定されているにもかかわらず、実際の運用は、学外の投稿論文について査読を行い、学内からの投稿論文については査読を行わず指導教員の内容確認により質的担保をする運用となっていた。大学院生が、論文作成中に主任指導教員に対して投稿論文を執筆中であることを伝えず、また内容確認を求めなかったことにも問題があるが、主任指導教員は内容確認を行わず、結果的に当該2論文に対するチェックは機能していなかった。』([1]より)

規定で査読をしなければならなかったにも関わらず、内部投稿は査読を行っていなかったのは詐欺的だ。確かに文系の紀要は査読なしか非常に甘いので、実質査読なし論文なのかもしれないが、規定に違反して査読なしを査読ありであるかのように見せかけている運用の仕方は不適切だ。文系は査読付き論文で重複しなければ二重投稿でないとか査読付き論文でなければ捏造、改ざんは問題にならないと主張する某有名大学学部長や論文を撤回せず全ての分析結果を直したり、主旨、結論の一部さえ訂正する訂正公告もあるので研究・出版倫理が非常に乏しく後進的。

必ず改善する必要がある。

本件では故意性の認定でも疑問がある。研究不正の故意性とは理研調査委員会が示したとおり客観的・外形的研究不正行為に対する認識をいう。調査報告書では「故意性については、大学院生の事情聴取における受け答えから伺われる限り、また、引用文献や参考文献に関する理解及び指導教員の証言からも、明確には認められない。」としている[1]。しかし、[1]によると院生は『参考にした先行文献については「自分の文言に言い換えるといったオリジナリティが加わっていれば引用元は示さなくてもよい。」とし、「研究ノート」については出典の明示は必要でないとの独自の考えを有してい』たのだから、出典を示していない事を認識して論文を発表したといえ、これは明確に故意の盗用だ。

出典を示すことなく他人の研究成果を流用するのは盗用で、その事に対する認識はあるわけだから故意である。院生は研究倫理を誤解していたのかもしれないが、悪いと知らなかったというのは故意性を阻却する事由ではない。似た例だとO氏は境界線を明示することなく電気泳動画像の切り貼りをして、悪意を持って発表したわけでないから改ざんでないと反論したが、ネイチャーの画像ルールなどを知らなかった等という弁明は通じず悪意は明らかと調査委員会に断じられ、改ざんが認定された。

本件は意図的かは不明だが明確に故意である。調査委員会は故意性の意味がわかっていないのではないか。

研究倫理は専門家が必要だ。こういう点の改善も必要だ。

参考
[1]広島大学の調査報告書写し)、トップ写し) 2019年11月7日閲覧


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