Quantcast
Channel: 世界変動展望
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2104

京都工芸繊維大副学長、論文5本で自己盗用、調査!

$
0
0

京都工芸繊維大副学長が論文5本で自己盗用したとして調査中。

二重投稿も自己盗用の一種。これが不正行為になる理由についてはずいぶん前に執筆した2011年7月26日の公表だから、ずいぶん前だ井上明久の二重投稿が問題になり、東北大学の調査委員会が基準を出したころだったかもしれない

毎日

山崎茂明の著書で二重投稿を不正行為とする理由が言及されていて井上明久の二重投稿の調査の際にも言及された。昔は情報が伝わり難く複数の学術誌に出したが、情報がきちんと伝わるようになると学術出版へのエネルギーやコスト軽減などの要請で控えるようになったということだが、こんな理由ははっきりいって前時代的なもので現代においては全く適切でない。二重投稿が不正とされるのは新規性の重複主張、業績水増し、著作権の二重譲渡の違法性などが理由で、学術出版に対するエネルギーやコスト軽減などが理由ではなく、悪質行為、犯罪などを規制する事が趣旨である。山崎の説では軽微なことを規制するかのように思うかもしれないが、現代において二重投稿が不正行為とされるのはもっと悪質な事が理由である。二重投稿が軽微な事などと考えてはいけない。

2011年に執筆した事を12年以上も経過して再度言及したので、今更という感じもするのだが、二重投稿や自己盗用については未だにルールなどを理解していない研究者が多いのかもしれない。査読付き論文で公表しなければ二重投稿にならず、国際会議のプロシーディングスと査読付き論文の重複は二重投稿などの不正行為にならないとか、学術誌の投稿規定やポリシーを無視して独善的で勝手な考え方を主張する研究者は多い。そういう研究者は井上明久のように二重投稿の不正行為が認定されて論文撤回となる事がある。井上明久は国際会議のプロシーディングスと査読付き論文の重複で二重投稿の不正を認定され論文撤回された。井上明久が二重投稿した論文数は10報以上だったと思う。

松原靖子櫻井保志大阪大らの二重投稿時の主張のように倫理意識が欠如した異常な考え方で二重投稿する准教授、教授もいる。具体的には「論文誌によって二重投稿の基準が異なるとの理解の下、ごく一部の関係者でのみ通用する運用基準さえクリアすれば問題ないと認識している」、「学会発表と論文掲載を同一視し、二重投稿にならないと誤った認識をしていた」、「既に発表した研究成果であっても、当該論文に、一定程度の差分を加えれば二重投稿には当たらないとの認識を持っていた」という考え方。このような考え方の根底には論文を出すことが業績であり、そのためにできる限り有利な基準で発表しても許されるという極めて自己中心的で甘い考えがある。こういう人物が一流大学で学生を教育する教授、准教授だったという現実は危機的かもしれないが、事件からずいぶん経って忘れ去られたかもしれない。

業績を出したいからといって学術誌の投稿規定やポリシーを無視して独善的で勝手な考え方で二重投稿すると不正行為になり論文が撤回され公表されてしまうので注意が必要である。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2104

Trending Articles