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匿名研究不正指摘サイトPubPeerの指摘で失職した研究者とPubPeerの法的紛争

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論文疑義に関する匿名投稿サイトPubPeer。日本ではSTAP細胞の不正疑義を最初に指摘したサイトとして紹介された。よく論文の不適切さに関する指摘が匿名で投稿される。中には研究者にとって危機的な指摘がある事もあり、裁判に発展する事がある。癌研究者のFazlul SarkarはPubPeerの匿名の指摘でパーマネントの研究職を失った。そのためPubPeerを訴えている。PubPeer側はSarkarと全面的に争うかまえ。最近ネイチャー誌がその展開を報じた

研究不正関連のサイトはリトラクションウォッチなど著名なサイトがいくつか存在する。日本でもSTAP細胞事件でクラウド査読が有名になった。これらのサイトの運営で近年の研究公正が実現してきたが、Scientific fraud blogやAbnormal Science Blogなど海外の著名サイトが訴えられて閉鎖に追い込まれた事がある。日本でも著名なブログが閉鎖に追い込まれたことがある。

日本は某大学や某国立研究所の事例などでわかるように不正を隠蔽、規程を無視する、黒を白と判断する、告発者を嫌がらせして圧殺、告発の握り潰しなど不公正極まりない扱いを研究機関が実際に行うことが珍しくない。証拠が被告発者側に圧倒的に偏って存在している事など裁判関係の問題も多く、裁判の立証責任を研究不正の認定や告発側と被告発者側で公平に分配したり、認定基準を適切にする事など課題がまだまだ多い。日経サイエンス2014年12月号のSTAP関連の記事の最後の方で述べられたように、これらの問題を解決しないと研究不正の調査を公正に行うことが難しい

現在は井上明久事件で研究不正が争われている。地裁判決では告発者側が敗訴したが、立証責任や不正の認定基準の問題を裁判でもっと改善しないと不正がまかり通るという非常に不条理な事がおきてしまう。これらの不公正さを必ず改善しないといけない。


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