池上彰の解説番組を録画で見た。STAP問題について紹介され、「日本では2月17日頃から報道されたが、海外では4月頃からの報道が多い。それは大した問題でないかもしれないから様子を見ていたため。小保方晴子氏らが言うように単純ミスなら、さっさと会見を開いてそう説明すればいいのに、それをしないのだから疑惑を認めた。」と海外で思われていたと池上彰氏が解説した。
日本は研究不正の問題が起きるとだんまりを決め込んで逃げ回る事が珍しくない。そういう態度は不正をしたと周りから見なされるようだ。2月17日のネイチャーの報道で「筆頭著者である小保方は、現在までのところ、Nature ニュースチームの問い合わせには答えていない。」(原文)と公表された時、かなり印象が悪かった。世界では小保方晴子らが研究不正をした事を認めたと見なされた部分があった。
これは他の事件でも同様でバルサルタン臨床研究捏造で由井芳樹の疑義の指摘に対して慈恵会医大がだんまりを決め込んだことに対して、世界は慈恵会医大が不正を認めたと判断したという指摘がある。
上昌広(東京大学医科学研究所特任教授)のツイート 2013.5.22
過失なら単にそう説明すればいいだけなのに、反論を放棄するのは不正をしたから、と見なされる。もともと研究発表者には説明責任があり、それを放棄する事は許されない。
文科省ガイドラインでは「被告発者が自己の説明によって、不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、不正行為と認定される。」(第2部Ⅳ3(3)後段)と端的に規定されている。被告発者の反論の放棄や再現失敗によって不正の疑いを覆せない時は不正と認定されるのがルール。立石幸代元国立環境研究所ポスドクのように反論を放棄して逃げてしまった研究者は無責任で、調査で改ざんが認定され、立石幸代の研究不正の責任が公式に認定された。立石幸代は国立環境研究所を雇い止めになった。筑波大学は柳澤純や村山明子が退職後に懲戒処分相当としたが、国立環境研究所は立石幸代を懲戒処分しなかった。
疑義の説明責任を果たさないと研究不正を行ったと見なされることがある。