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汚名挽回は誤用か?

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小保方晴子がSTAP細胞を再現できなかった事で、早大の女学生にインタビューが行われた。女学生が「汚名挽回」という言葉を述べた。ツイッターでは少し話題になったようだ。その1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 .


FNN 2014.12.20 より


早大女学生が「汚名挽回」と言うのは1分46秒頃、FNN 2014.12.20 より

大辞泉によると

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ばん‐かい〔‐クワイ〕【×挽回】 [名](スル)失ったものを取り戻して、もとの状態にすること。回復。「勢力を―する」「遅れを―する」「名誉―」


大辞泉より
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挽回は失ったものを取り戻して、もとの状態にすることだから、汚名挽回はできるが、それは失った汚名を取り戻すということで、もう一度不名誉な事を行うという意味だと思っていた。そのような事は通常行わない。これは誤用だと思っていた。そう指摘する文献がある。FNNでは誤用と判断して字幕を「汚名返上」に修正した。通常は名誉挽回、汚名返上と言う。多少マニアックな話になるが、Zガンダムにもジェリド中尉が「汚名挽回」というシーンがあり、誤用だと言う人がいる。しかし、調べてみると汚名挽回は誤用ではないという説があるようだ。

この説だと挽回は「元の状態に回復すること。」という意味で、上の辞書の例にあるように「遅れを挽回する」という使われ方をする。この意味で使えば汚名挽回は「汚名のない状態に回復する」という意味になる。解釈次第では誤用でない。だから、早大の女学生が間違った使い方をしたというわけではないと思う。

しかし、一般には名誉挽回、汚名返上という言い方をするし、汚名挽回は誤解を招くおそれがあるので使わない方がいいと思う。


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