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平成27年度和算に挑戦の解答発表後の感想

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28日頃に平成27年度和算に挑戦の解答が発表されました。それを受けて各問題の感想を述べます。

初級問題

初級問題は簡単だったのでほとんどの人が正解だった講評③や解答例2は私の論述解答を一部写した解答。私の記事をどれほどの人がネットで見たのかわからないが、その影響か。問題では代銀なのに代金としているのは私の論述解答の影響だろうネットからコピペでレポート等を出すのは2年前にSTAP細胞事件で社会問題となった私も関与したクラウド査読の影響


小保方晴子、日刊スポーツ 2014年4月10日

具体的には東大がネットからのコピペレポートのために学期末の全単位を無効処分としたり東大入試でレポート作成の倫理を問う問題が2年連続で出題されたり、2014年開催東大の入学式卒業式でもお偉いさんがコピペを話題にしたり、コピペ研究所というゲームが公開された。


コピペ研究所

今の一部の大学は不正行為に厳しい。東大は学校の模範となるべき立場だから上の態度なのかもしれないが、東大が厳しい姿勢だと他の学校も見習うかもしれない。今は便利な時代だが、小学生の時からコピペに頼っていると、いつかあなたも小保方晴子になってしまうかもしれない。

ばれるとまずいコピペ答案は出展を明示しないのが通常だが、一関市博物館はオリジナル答案が私のものだとたぶんわかっているだろうから、ネットで使用するなら参考文献として出展明示をする必要がある。紹介して頂いたのは光栄だが。

以上は建前論で、正直にいえば他の文献を参考、コピペするのは場合によってはそれほど問題にしなくてもいいと思う。厳密にいえば不法なコピペなんて非常によく行われている。全部厳密に取り締まるとかえって不都合が生じる。だから、私は和算に挑戦程度のコピペなら不法行為として取り締まる必要はないと思う。正直いって何も損害がない。

ただ、上で述べたとおり最近の一部の大学はレポート等の不正行為に厳しいので学生の方々は留意した方がいいと思う。小学生の和算に挑戦のコピペ程度なら大きな問題にならないかもしれないが、大学の論文やレポートでコピペしてしまうと大きな問題になる事がある。繰り返しになるが、小保方晴子と同じ過ちを繰り返さないように。

一応、念のためにいうが私の論述解答の「代金」とは対価のゴールドという意味ではなく品物の買主が売主に支払う金の事現代では代銀という言葉は辞書に載ってませんよ

中級問題

中級問題は私のブログの影響がどれほどあったのか不明。講評によると『「大円に内接する小円の中心と、その小円に外接する小円の中心を結ぶ中心線は大円と小円の直径を通らない」。このことを認識せずに進めた例(この場合の誤答が極めて多かった。)

わかりづらい表現。というか私は何を言っているのかよくわかりません。

中級問題はそれほど難しくなかったので、きちんと考えた人は正解だったと思います

上級問題

講評で上級問題は平成18年や平成22年の上級より難問だと言及されました。採点基準によると「上級問題は厳密に審査し、計算途中で近似値を使った答案は誤答」という扱いに。平成22年の和算に挑戦の上級では数値計算を使った近似値の解法も正解になったので出題側の採点基準は一貫していません。私は数値計算を使った解法(以下、解法1)と算法助術64番を使った解法(以下、解法2)の2つを公表しましたが、解法1は誤答になるようです。ただし、解法1は論理に誤りはありません。

私が数値計算を使ったのは平成22年上級で数値計算を用いた解法でも正解になった事今年の中級問題のように近似解でも正解になる事が理由です。採点基準は解答者にはわかりませんから、一貫しない採点基準のために誤答になるのは運が悪かったかもしれません。不透明な採点基準で評価が変わるのは芸術や文系の論文試験のような性質で、科学は答えとそれに至る論理に誤りがなければ誰が評価しても正解になるのが良い点と思っていたのですが、出題側の主観的、恣意的な基準で評価が変わるのは残念です。

最後の答えを近似解でも正解にしているなら、通常手計算で解かない煩雑な計算を要求するのは勘弁してほしいです。例えば、講評によると小円の半径を求めるのに4次方程式の解の公式を使った答案があったようですが、4次方程式は整数の範囲で因数分解できない時は数値計算を使って解くのが普通で、解の公式を使うのは非常に煩雑です。

解法2は小円の半径の近似値でなく解析表示を出しましたが、 方程式を解く過程等は省略したので「厳密に審査」されたら、正解か不明です。毎年全問正解でしたが、今年の上級に関しては正解かわかりません。私は解答を送っていないので。

計算過程を省略した理由は、煩雑な計算過程は本質的でなく書くのが嫌だし、採点も大変だからです。これまでは数値計算でも正解になっていたので、方程式さえ得られれば解ける事は採点側に伝わると思い、計算過程を省略しても十分だと判断しました。厳密さと簡潔さはトレードオフで、少なくとも簡潔な答案でないと入賞は難しいのでしょう。和算に挑戦に取り組み始めた頃は厳密な答案を作成していましたが、簡潔な答案を求められる傾向だったので本質的でない部分は全て省略し、簡潔な答案を目指しました。

実際に今回の計算をやってみると非常に煩雑で嫌なんですよね。非常に煩雑な計算過程をいちいち答案に書くのは嫌だし、現実に計算するのはもっと嫌です。今回は8ページもの答案を作った人がいたようですが、非常に複雑な計算過程を書かなければいけないのは勘弁してほしいです。私は小円半径の解析表示を出しましたが、こんなの普通は手計算で解けないし、一般に計算過程は非常に煩雑です。

解法2は算法助術64番を使いました講評によると他にもこれを使った答案があり、安島・マルハッチの定理を使った答案もあったようです。これらを使っても正解になったのでしょうが、普通はこんな定理を知りませんし、参考にして解くのは独力でない感じがして、あまりいい気はしません。

解答例をみると、小円の半径のルートをcとし、これに関する4次方程式を2次式の積に因数分解して解いてます。こんなの普通できません。上でも書きましたが、4次方程式は整数の範囲で因数分解できない時は普通数値計算で解きます。計算過程で近似値を使うのを禁止するのは勘弁してほしいですね。なお、因数分解後の2次方程式を解くと小円の半径が求められます

今年の上級は応募数93人、正答者48人で、ここ数年で最も少なかったとの事。正解した人たちはさすがでした。私の出した小円の半径正しかったですが、これをきちんと出せた人は他にもたくさんいたのでしょうか。

講評の最後に『今年度の「和算に挑戦」も終了しました。』と書かれています。これは私の感想でもよく書いた言葉。影響があったのかは不明。

講評によると『「全円の中心から直角三角形の底辺におろした垂線が大円に接し、かつ、全円の中心から直角三角形の高さの辺におろした垂線に中円が接する」と考えてしまった方もいました。』 これは数学的根拠なく解いてはいけない旨を注意したのですが、間違った人がいたようです。コメントでは「ちゃんと計算した」と反論した人がいましたが、いったいどんな根拠だったのでしょうか。私の解答例で言及したとおり、このケースでも最後の答えは一致します。具体的には算法助術公式9を使った解法ですが、言及したとおり、この一致は偶然でしょうか

講評の原典紹介では極形術がうまくいかない場合があり、それがどのような場合かの理論的な証明はない旨が紹介されました。関心のある人は証明に挑戦して成功すれば歴史に名が残るかもしれません。

来年以降は計算が難しい問題ではなく考えることが難しい問題を期待します。

以上。


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