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「あの日」の感想

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先日図書館から「あの日」(小保方晴子 著)を借りて全部読んだ。

この本は小保方晴子氏が研究者を志してから博士号剥奪に至るまでの自伝で、一言でいうと完全な自己弁護本。一貫して自己防衛の姿勢が貫かれていて、多くの部分で若山照彦氏が悪く、責任があるという趣旨の記述がある。ここまで書かれたら若山照彦氏は反論した方がいいかもしれないが、反論しても泥沼化するだけかもしれない。

前半部分には受験の時に最難関国立大付属校に合格確実の成績だった、過去3位以内に入る学生と東京女子医大の指導者に言われた、過去何年かで最高のプレゼンとC.バカンティ氏に言われた、理研で最年少のPI等の記述があった。AO入試で早大に入ったから勉強ができない、実力がないから捏造した、落書きレベルの実験ノートなど散々世間から罵倒されてきた事に対する反論のように受け取れたが、小保方氏としては素直に事実を書いただけかもしれない。

メディアに対しても非常に強く批判しており、記者の実名等をあげて猛烈に批判した文章は強い怨恨に基づく復讐に見えた。後半部分のSTAP騒動の記載は非常に辛かった旨が何度も記載され、概して世間の外圧に負けて不正が認定され、博士号が剥奪されたという主張だった。

小保方晴子氏の主張は一部で正当だと思う。例えばメディアのバッシング報道は異常で、あそこまでやられれば恨み言の一つも言いたくなるだろう。しかし、憶測や伝聞といった弱い根拠に基づく主張も多かった。

著書を読むと、小保方氏は今でもSTAP細胞は存在すると信じ、再現実験が失敗したのは若山氏の特別な技能がなくキメラマウスが作製できなかったからだと思っているようだ。またES細胞混入、すり替えがあったとしても若山照彦氏の仕業と主張したいようだ。小保方氏しか関与していないテラトーマ形成実験でもES細胞混入が判明したが、それは無視されていた。科学的な事実や不都合な事実は一切認めようとしていないように見えた。

後半部分には「内臓がすり潰される」等の非常に辛かった事の表現が多く登場した。それなのに、この著作が出たのは理解し難かった。私なら、そんなに辛かったなら、もう静かに暮らしたらいいじゃないかと思う。せっかく忘れられかけていたのに。

著作には「女神の神殿」等の表現が出てきて、私には出てこない表現だと思った。これが物書きの才能か不明だが、もしそうなら磨けば良い物書きになるかもしれない。貴重な印税収入を活かして、例えばこんな方面で前向きに生きてほしいと思った。


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