[1][2]で経済学における不正調査の結果が公表された。
[1]より
経済学の不正はこんな感じか。
「Cardinal sins such as the correction, fabrication or partial exclusion of data or the copying of another person’s work are confessed by 1-3.5 percent.[1]」
経済学でも調査対象者のうち1-3.5%は捏造、改ざん、盗用を行った事を認めた。私はもっと多いのではないかと思う。
「one third of the participants admit to having cherry-picked results – the selective presentation of empirical results that confirm one’s argument is rejected by 84 percent.[1]」
調査対象者のうち約3分の1が論拠を支持するように結果を選択表示した事を認めた。
米国政府の改ざんの定義は「Falsification is manipulating research materials, equipment, or processes, or changing or omitting data or results such that the research is not accurately represented in the research record. 」
選択的に結果を表示するのは操作又は不都合なデータや結果の省略だし、その結果研究を正確に表さない場合は改ざんの定義に合致する。虚偽の結果表示はもちろん質や精度が良いように見せかけるのも改ざんの定義に合致する。実際はチャンピオンデータ等の例のように改ざんとみなされるか微妙なものものある。
もちろん改ざんが認定された例はあり、例えば山形大学医学部教員は結果の違いが明確になるようデータを選び、結論を導き出し改ざんと認定された。池田信夫氏が指摘した不正も選択的結果表示による改ざんだ。
調査対象者の約3分の1がこのような不正を行ったのだから、改ざんをやっている経済学者の割合は結構多いのかもしれない。小野五郎氏(埼玉大学名誉教授)は計量経済学ではある種の改ざんは日常茶飯事だという(関連)。経済学は最も不正が起きやすい分野の一つ。
もし、これが実態だとすると虚偽情報が多すぎて学問が成立しないように思うのは気のせいか。たぶん学問が成立しないほど虚偽が多いという事はないと思うが。
ところで、1-3.5%の調査対象者がやった改ざんはどういうものか。経済学で改ざん、捏造、データの部分的な除外といった悪質な不正が認定された例を知らない。Cardinal sin(大罪)といえる捏造、改ざんはたぶんSTAP細胞事件やディオバン事件ような虚構だ。そういう研究発表もあるのかもしれないが、日本の経済学の研究成果でそれが認定された例を知らない。
それにしても意外で強烈なのは「Remarkably, 1-3 percent admit that in exchange for co-authorship, data, or promotion, they have accepted or offered gifts, money, or sex.[1]」という結果。
週刊文春が小保方晴子について乱倫な研究室、失楽園といった題の記事を発表して、不適切な関係を報じた事があるが、これらはほとんど虚構だと思う。
しかし、経済学の世界では共著、データ、昇進のために贈収賄や体を売る事が行われている!
これはすごい。とても驚く。フィクションドラマ等の中ではこういう事があるが、経済学の世界は現実にこういう事をやってるのか。中国ではスーパーのように論文がよりどりみどりで売買されているという記事も驚いたが、経済学の世界の実態はそれ以上に驚いた。
昇進等のために贈収賄や体を売るって・・・、これってフィクションじゃなく本当なの?
自分の利益のためには何でもありという感じ。こういう世界で研究不正を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。
参考
[1]Sarah Necker(参考) "Economists Behaving Badly Linked to Pressure to Publish" social science spapce 2014.7.25
[2]JA List, et al."Academic economists behaving badly? A survey on three areas of unethical behavior" Economic Inquiry 39(1), 162-170, January 2001
[3]白楽ロックビル氏のサイト. 2016.3.12 閲覧