佐藤能啓(Yoshihiro Sato、医療法人 昌和会 見立病院 元副院長、元弘前大学教授)、佐藤敬(Kei Satoh、経歴)弘前大学学長らの論文がオノラリーオーサーで撤回された。合計5報目。
Sato, Y.(責任著者), Iwamoto, J., Kanoko, T., and Satoh, K..
‘Alendronate and vitamin D2 for prevention of hip fracture in Parkinson’s disease: A randomized controlled trial,’
Movement Disorders Volume 21, Issue 7, Pages 924–929,
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The above article, published online on 14 March 2006 in Wiley Online Library (wileyonlinelibrary.com), and in Volume 21, Issue 7, Pages 924–929, has been retracted by agreement between the authors, the Editor-in-Chief, Jose A. Obeso, and Wiley Periodicals, Inc. The retraction has been agreed due to an acknowledgement from the authors that the co-authors did not participate in study design, data collection, data analysis, interpretation of data and drafting the manuscript. Thus all co-authors are honorary.
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(撤回公告より)
撤回公告と[1]によると佐藤能啓以外の全員がオノラリーオーサーで、論文の著者の役割記載は虚偽。撤回公告に「co-authors did not participate in study design, data collection, data analysis, interpretation of data and drafting the manuscript. Thus all co-authors are honorary.」と記載された。
同様の論文撤回が去年あった。この論文も佐藤能啓以外の全員がオノラリーオーサーで「due to duplication of text and concerns about the underlying data to which the authors have given no satisfactory response.」を理由に撤回された。端的にいって捏造、改ざん。
最近も3論文が「acknowledgment of scientific misconduct resulting in concerns about data integrity and inappropriate assignment of authorship.」で撤回された。これも捏造、改ざんがあった。不適切なオーサーシップはそおそらく佐藤能啓以外の全員がオノラリーオーサーという事だろう。
大きな影響があったJAMA論文もこれで撤回され、論文の著者の役割によると佐藤敬弘前大学学長は研究の構想と設計、データ取得、データ解析と解釈、原稿の起草の全てに関与した。おそらくこれもMovement Disorders誌同様、著者の役割を虚偽記載したと弁明したのだろう。
でも、はっきりいって撤回公告のオノラリーオーサーの記載はうさんくさい。他の共著者、特に佐藤敬弘前大学学長も不正に関与し、その責任を逃れるためのトカゲの尻尾切りじゃないか。
信用度を上げる等の見返り目的で貢献のない著名人や権威者を著者に加えるなら佐藤敬弘前大学学長を加えるならまだしも、岩本潤(Jun Iwamoto)慶應義塾大学非常勤講師、 本多義明(Yoshiaki Honda)見立病院医師を著者に加える必要はない。
見返りなく好意で著者に加えただけだったとしても撤回公告や供述が正しいなら佐藤能啓が研究の構想と設計、データ取得、データ解析と解釈、原稿の起草、重要な改訂、統計解析等を全部一人で担当したという事だが、技術的に可能か。それにJAMA論文等は一流誌に掲載された論文なのに、単独の業績を何人にも好意で分け与えるのか。
撤回公告のオノラリーオーサーの記載は著者側が一方的に述べた事に基づくので、それだけでは信用できない。本当にそうなのか厳正に調査する必要がある。
佐藤能啓は既に見立病院を退職した。
JAMA論文等の不正は悪質な捏造、改ざんだ。研究者や医師の利益のために重要な臨床研究の成果を捏造し、期待した効果が得られない診療や投薬で患者を騙す事は非常に悪質。本件の不正は重大な責任がある。
他の共著者も不正に関与したのに佐藤能啓をトカゲの尻尾切りにして逃げのびる事を絶対に許してはならない。
本件は必ず厳正に調査し、不正に関与した者全員に相当な処罰を与えなければならない。見立病院や弘前大学にそれが期待できないなら、マスコミの厳しい追及に期待したい。
参考
[1]リトラクションウォッチ 2016.6.9