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各大学の経済学研究科、附属研究所の業績比較

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各大学の経済学研究科、附属研究所の業績比較の論文がある。2015年調査。経済学はこういう調査をよくやる今回の論文は大阪大学のディスカッションペーパーだ前にトップジャーナルに掲載させた経済学者のリストを紹介したが、それを作ったのも大阪大学経済系の研究者だったと思う

私は理系の分野でこのような各研究機関の業績比較の論文や著名学術誌に掲載させた事のある研究者のリストを見たことがないが、経済学の分野ではこのような調査を他の分野よりよくやるのかもしれない。

私は経済学の分野は研究内容によって研究発表先がいろいろ分かれているので、このような評価がどこまで正確かよくわからない。だいたいこのような調査をみるとAmerican Economic Reviewのような英文の著名学術誌が調査対象になっているが、私の知るマル経の研究者は著名で優れた実績があり上の経済学者のリスト等にはないが、共産圏では評価されているようだ。

毎年のノーベル経済学賞の受賞者をみてもアメリカばかりに偏っている。アメリカで評価されないとノーベル経済学賞をとれないと聞いた事がある。前に「日本人がノーベル経済学賞をとれない理由」という記事を紹介した。ではアメリカで評価されない研究は優れた研究ではないかというとそうではないだろう。

たぶん経済学は国や研究分野で発表先や評価がだいぶ違うのではないだろうか。「経済学の紀要や和文誌は評価されないのか?」という記事で以下のように紹介した。

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「日本の大学の紀要には、この査読がないか、あっても、非常に簡素な手続きにとどまっているものが多い。要するに、教員や大学院生としてその大学に在籍する研究者であれば、基本的に誰でも論文を載せることができる。もっとも大学によっては、院生の論文には審査を課していることがあるが、所属する教授・教員の論文には審査はない。内容やレベルを問われることもない。それが研究発表の場としての、紀要の大きな問題点の一つである。
 先述のとおり、紀要は学部単位、研究科単位で作られるため、各大学から毎年数多く刊行されているが、それを読んでいる人はきわめて少ない。もちろん、市販されていないという事情はあるが、大学の教職員や学生、関係者でも、自分の大学の紀要をいつも読んでいる人を私は知らないし、おそらく論文を投稿した本人でさえ、掲載された号しか目を通していないのではないか。私自身も紀要に掲載された論文を読んだことはほとんどない。なぜかというと、そこには学問的に得られるものがきわめて乏しいからである。これが紀要の、もう一つの問題である。
 その分野の最先端の研究成果や有用な知見を学ぶなら、経済学であれば『アメリカン・エコノミック・レビュー』のような、トップジャーナルと呼ばれる海外の一流専門誌から学ぶのが研究者の常識といってよい。もちろん、これは査読付きである。翻って「誰でも発表できるが誰も読まない」のが日本の大学紀要の実態であり、一定以上の学術的水準が担保されていないゆえんでもある。文系の研究成果の多くが、そういう場所でしか発表・評価されていない。それが日本の学界の現実なのだ。[1]」

「誰でも発表できて誰も読まない紀要に投稿して見せかけの研究業績を稼ぎ[1]」と書かれているように、紀要に論文を発表しても見かけの業績にしかならないのか。「最先端の研究成果や有用な知見を学ぶならアメリカン・エコノミック・レビューのような、トップジャーナルと呼ばれる海外の一流専門誌から学ぶのが研究者の常識[1]」らしいので、例えばリンク先の学術誌を読むのが常識なのだろう。

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この文章によるとAERのような著名学術誌に論文を掲載させると高く評価されるのだろう。医学でThe New England Journal of MedicineJAMALancetのような著名学術誌に掲載させると高い評価を得られるのと同様だ。だからこそ上の阪大の業績調査の論文や著名学術誌への掲載者リストがあるのだろう。

しかし、掲載していない経済学者の業績や能力が低いのかというと・・・そうではないだろう。上のマル経の経済学者のように優れた研究者がいる。そういう分野ではAERなどの著名学術誌が主な発表先ではないということだろう。

それにしても上の「学問的に得られるものがきわめて乏しい[1]」、「誰でも発表できて誰も読まない紀要に投稿して見せかけの研究業績を稼ぎ[1]」というのは厳しい意見だ。

たぶんそうではないのではないだろうか。

経済学はこういう業績評価の調査論文がいくつかあるが、研究不正の調査論文もある。

実は経済学の分野は最も不正が起きやすい分野の一つである。経済学もAERのような著名学術誌への掲載が業績評価で非常に重要だから、O 30代女性研究者のように全体的に成果を捏造して論文を発表するという大胆かつ非常に悪質な事をやってしまう研究者もいないわけではないかもしれない。

前に「経済学の不正論文 - 2017年2月17日」という記事で以下のように紹介した。

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経済学の分野もO 30代女性研究者写真)のような極めて悪質な論文捏造があって発覚していないだけだと私は思っている。O 30代女性研究者写真)のように実力や実績がないのに表向きはいろいろ良く見せかけて騙しているが、仮面をはずしたその正体は極めて悪質な人物で、自分の利益のために周りに甚大な損害を与えただけでなく、全部人のせいにして、自分は無実で誰かに陥れられた等と主張・・・。O 30代女性研究者と共同で何かやっていたら周りの人は大損害を受け続けるだろう。

そういう人物はなかなかいないと思うが、稀にそういう人もいる。例えばある環境経済学者は極めて悪質な人物で、倫理意識が完全に欠如したペテン師で頭がおかしいといえ、排除するしかない

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実際にこういう非常に悪質な不正行為者もいると思う。経済学では他に偽メールアドレスを使った査読偽装もあった

経済学の世界は業績評価をよくやっているが、研究不正の分野でもなかなかすごかったりするかもしれない。「トップの経済学者さえ捕食ジャーナルで出版する!調査で明らかに」、「ポストのために体を売る女性研究者」、「経済学の不正調査、昇進等のために贈収賄や体を売るという強烈な結果も!」という記事を執筆した事があり、経済学の分野は驚くべき不正の実態があるようだ。

経済学は医学と同様に社会に対する影響の大きい分野だ。O 30代女性研究者のような捏造事件やディオバン事件のような事件が起きると甚大な損害が生じるおそれがある。

そういう不正を厳しく取り締まり、改善を図っていく必要がある。

参考
[1]橘木俊詔 「経済学タチバナキ教授が見たニッポンの大学教授と大学生」 東洋経済新聞社 2015年1月29日


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