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Channel: 世界変動展望
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ガンダムの難解さ

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前にガンダムの事を書いたので、今回もガンダムの話。

ガンダムは巨大な知財売り上げを達成している人気アニメだが、ファーストの本放送の時は人気がなくて打ち切りになったんじゃなかったかな。再放送の方が視聴率がよくて、本放送後に人気が上がっていった。話が子供には難解すぎたのかも。ファーストもZもかっこいいモビルスーツがどんぱちやっている印象しかなかったのかもしれない。私はストーリーがなかなか面白いと思っている。

ファーストは宇宙都市サイド3がジオン公国を名乗り、地球連邦政府に対して独立戦争を仕掛けた闘争の話。いわゆる1年戦争。ジオンとはもともとシャアの父ジオン・ズム・ダイクンの名前からきていて、彼はもともとジオン共和国の建国者で首相だった。彼はもともとジオニズムという革新的な思想を実現するためにジオン共和国を建国、すべての人類は宇宙に出て地球を自然の回復力にまかせ、宇宙という新しい環境でニュータイプという理想のタイプへと進化すべきだと主張した。それは道半ば終わってしまって、ジオン・ズム・ダイクンは死亡。死際に側近だったデギン・ソト・ザビを次期首相に指名した。これはシャアとセイラの育ての親ともいうべきジンバ・ラルの主張によればジオンはデギンに暗殺された事の証らしいが、真相不明。しかし、シャアはジンバ・ラルからそう刷り込まれて育てられ、デギン・ソト・ザビとザビ家に恨みを持っていたようだ。

サイド3はザビ家に乗っ取られ、ジンバ・ラルはシャアとセイラを連れて地球に亡命。シャアとセイラは本名、キャスバル・レム・ダイクン、アルテイシア・ソム・ダイクンといったが、地球のマス家の養子になりエドワゥ・マス、セイラ・マスとなった。シャアは成長し、ハイスクールから士官学校を経てジオン軍に入隊。ザビ家に近づいて復讐を果たす事が目的の一つだった。サイド3はザビ家の支配下になり、共和国から公国に移行、デギン・ソト・ザビが公王、長男のギレン・ザビが軍の総帥。ザビ家はジオン・ズム・ダイクンが提唱したジオニズムをスペースノイドこそエリートという悪い選民意識にすり替えて戦争の大義名分にしようとしていた。

サイド3は地球から最も遠い軌道を回るコロニー都市群で、地球連邦に比べれば国力は30分の1以下。普通に戦えばまず勝てない。そこで考え出した作戦がブリティッシュ作戦。30対1の国力をひっくり返すジオン必勝の作戦だ。アイランド・イフィッシュというコロニーに毒ガスを散布し、何千万人という人を虐殺。そのコロニーを巨大な弾道として地球連邦軍の本拠地であるジャブローめがけて落下させ、壊滅的な打撃を与えようというものだ。落下するコロニーは途中で軌道がそれてオーストラリアのシドニーに落下。シドニーは大爆発して壊滅した。オープニングのナレーションで「この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々はみずからの行為に恐怖した。」という説明があるときに、都市にコロニーが落ちて大爆発するシーンがあるが、それがブリティッシュ作戦だ。

ブリティッシュ作戦は結果的に失敗したといえよう。その後、ルウム戦役が起き、モビルスーツ・ザクの活躍でドズル・ザビ率いるジオン軍はレビル将軍率いる連邦軍に対して圧倒的な勝利をおさめた。この時の活躍でシャアは赤い彗星と恐れられ2階級特進を果たした。また、黒い三連星は脱出中のレビルを捕虜にする事に成功して名をあげた。これを聞いたギレンは勝利を確信。和平交渉に乗り出した。交渉はジオンから連邦に対する事実上の降伏勧告といえる内容だったが、交渉成立前に奇跡が起きた。サイド3に潜入した特殊部隊がレビルの奪還に成功。切り札を失ったジオンは勧告通りの内容で交渉を成立させられず、大量破壊兵器の使用などを禁じた南極条約などの成立だけで交渉は成立した。後にオデッサ作戦でマ・クベが「水爆を使う用意がある。南極条約違反だが、こちらも負けたくないのでね。」といっていた時の南極条約とはこの時のものだ。もちろん架空の条約。

ルウム戦役の敗戦で連邦軍はモビルスーツを持たない事の弱さを痛感。モビルスーツ開発に乗り出した。いわゆるV作戦の発動。もともとジオン軍にいたミノフスキー博士も自らが開発した技術が戦争利用されることを恐れ地球連邦に移って連邦側のモビルスーツ開発に尽力。ジオン側もそうだが、彼が発見したミノフスキー粒子とミノフスキー物理学の応用によって核融合炉の小型化によるエネルギー革命が実現、モビルスーツの動力に革命をもたらした。30対1の国力差がありながらジオンが連邦に対して優勢だったのは、このモビルスーツの影響が大きかった。この技術を連邦も持つ事によって連邦の軍事力はジオンに追いつき追い越したといえるだろう。ミノフスキー博士という非常に優秀な博士が連邦側に移った事が大きかった。V作戦に関わったアムロの父テム・レイはミノフスキー博士の弟子だったといわれる。V作戦で作られたモビルスーツが有名なガンダム、ガンタンク、ガンキャノンなど。V作戦に感づいて偵察にきたシャアの部下がザクにのってアムロの操ったガンダムと戦ったのが史上初のモビルスーツ同士の対戦。これが第1話だ。後にライバル・シャアとアムロが対決し、シャアの有名な「見せてもらおうか!連邦軍のモビルスーツの性能とやらを!!」というセリフでアムロの乗ったガンダムが見せつけた性能はビームライフル1発でザクを撃破するという驚異的なものだった。シャアがその時にいった「何という事だ!あのモビルスーツは戦艦なみのビーム砲を持っているのか!火力が違い過ぎる!!」というセリフに開発されたモビルスーツの性能の高さがよく表れていた。

1,2話までとその前提の話を書くだけでも、これだけ長くなってしまった。ガンダムは話が難しすぎるんだよね。話を見ていると「南極条約って何?V作戦って何?オープニングのコロニーが落ちて都市が大爆発するシーンはどういう事?」と疑問に思ってしまう人が多かったのではないだろうか。主人公たちは連邦軍だから、敵側のジオン軍が勝利するシーンなどは省いたという事情はあったのだろうが、話がわからなくなるよね。

シャアはその後に士官学校の同期だったガルマ・ザビを復讐のために謀殺。星1号作戦の時に部下たちを見捨てて一人だけ逃げようとしたキシリア・ザビも許せないとしてビーム砲を持ってザンジバルに乗り脱出中のキシリアに向けて発射し、彼女の頭を吹っ飛ばして射殺した。しかし、シャアは復讐のためだけに生きていたわけではなく、テキサスでセイラと会話した時の話によると「兄さんこそジオン軍に入ってまでザビ家に復讐するなんて、やることが筋違いじゃなくて?」と問うセイラに対して「お前の兄がその程度の男だと思うか?・・・私も大人になった。連邦がザビ家を倒すだけでは真の平和は得られないと悟ったのだ。・・・ニュータイプが発生したから。」というような事を言っていたので、要するに父親の跡を継いでジオニズムを実現しないと人類の真の平和は得られないと考えたようだ。シャアはその後一貫して父の意思を継いでジオニズムを実現するために活動したといえるだろう。

1年戦争はジオン軍の最後の砦だった宇宙要塞ア・バオワ・クーの攻略作戦である星1号作戦が成功し、丸裸になった後にジオン公国が共和国に変わり、連邦と終戦協定が結ばれて終結した。最後のナレーションで「この戦いの後 地球連邦政府とジオン共和国との間に終戦協定が結ばれた」と言われたのは、この話。このナレーションだけ聞くと子供には「どっちが勝ったの?」と疑問に思う人がいたかもしれない。勿論連邦の勝利。ジオン軍は丸裸になったわけだし、打つ手なしになって降伏する内容で終戦協定を結んだのだ。終戦協定の内容の一つはジオン共和国はあらためて連邦の統治下に入るというもの。もともとこの戦いはジオン公国が連邦政府に対して独立戦争をしかけて統治権を巡って争ったというのが戦争の目的だったわけで、目的を達成したのは連邦だから、勝ったのは連邦である。注意して頂きたいのはジオン公国ではなくジオン共和国に変わっているという点。最後のナレーションではきちんとジオン共和国といっている。これは公国が倒れて共和国になったということ。公国を支配していたのはザビ家だから、ザビ家が倒れ敗北したということだ。

ソロモンの攻略作戦であるチェンバロ作戦が成功して指揮官だったドズル・ザビは戦死。この時に母・ゼナと共に脱出した赤子がミネバ・ラオ・ザビ。後にZなどに登場。ユニコーンでは容姿端麗なヒロインとして登場した。和平交渉しようとしたデギン・ソト・ザビはギレンによってソーラーレイ(コロニーレーザー)を発射され、レビルの乗る連邦艦隊とともに吹っ飛ばされて死亡。ギレンは自らの政治思想を実現するために父親もろとも連邦艦隊を吹っ飛ばした。これが仇となり妹のキシリアから「父殺しの男が!」と言われ、ビーム砲で後ろから頭を打ちぬかれて死亡。妹・キシリアによって射殺された。当初ギレンは「圧倒的じゃないか、我が軍は!」などと余裕を見せていたが、この時の指揮系統の乱れで劣勢になり結果的に敗北した。キシリアも上のとおりシャアにビーム砲で頭を吹っ飛ばされて射殺された。結局、デギン・ソト・ザビの子供は全員が死亡。唯一、ミネバ・ラオ・ザビだけが残った。以来彼女はザビ家の正統として旧ジオン軍の残党であるアクシズ(ネオジオン)のトップとしてZガンダムで登場する。

ガンダムの話はわかりづらい。Zはもっとわかりづらいかもしれない。ファーストの7年後の話。1年戦争は連邦の勝利で終結。その後の連邦はティターンズという連邦のエリート部隊が危険な増長ぶりを見せていた。ティターンズは連邦の大将であるジャミトフ・ハイマンによって創設され、ナンバー2がバスク・オム大佐。彼らはアースノイド至上主義者で、ジオンの残党狩りを名目にスペースノイドの弾圧を行っていた。典型例がいわゆる30バンチ事件で、地球連邦政府に対する抗議デモをしていたコロニーの中にG3という猛毒ガスを散布して何千万人という人たちを虐殺した。ブリティッシュ作戦の時にジオンがやったのと同じような悪行。これが動機となり、地球連邦軍の別部隊を母体にしてブレックス准将がエゥーゴ(A.E.U.G、Anti Earth Union Group、反地球連邦組織)を結成。こうしてスペースノイドたちを弾圧するティターンズとこれを守るエゥーゴの闘争が始まった。いわゆるグリプス戦役。グリプスとはグリーンノア2の別称で、ティターンズの宇宙での本拠地になっていたコロニー。バスク・オムがグリプスの名を好んだためにこのように呼ばれる。第1話はクワトロ・バジーナと名を変えたシャアがグリプスに潜入捜査するところから始まる。1年戦争後、ジオン軍はアステロイドに逃れて再起を伺っていた。その時にシャアは後にアクシズの摂政となるハマーン・カーンと交際。シャアに媚びている彼女は後の高圧的なハマーンからは想像もできないような態度だ。赤子のミネバ・ラオ・ザビとも交流があったようだ。連邦の架空の軍籍を入手して、クワトロ・バジーナと名前を変えて連邦に潜入してエゥーゴに参加したのだ。クワトロとはキャスバル、エドワゥ、シャアに続く第4の名前という意味がある。

シャアはティターンズが開発したガンダムマーク2の強奪に成功。この時にガンダムに乗っていた少年が主人公のカミーユ・ビダン。彼はこれ以降エゥーゴに参加する。彼の母は材料工学の専門家でガンダムマーク2の開発にも携わった。ガンダムマーク2の返還などのためにエゥーゴにやってきたエマ・シーンの交渉後に母はカプセルに入れられ、ジェリドが放った銃撃で宇宙空間でカプセルが破壊され死亡。カミーユの目の前だった。父も軍人でエゥーゴからモビルスーツに乗って戻る途中に撃ち落とされて死亡。カミーユは両親を短期間に失った。エマ・シーンはカミーユの母を殺害したティターンズのやり方をみて見限り、裏切ってエゥーゴ参加。ティターンズが暴走して、グリーンノア1からテンプテーション号で脱出してきたブライト・ノアとファ・ユイリィもエゥーゴに参加。ブライトはテンプテーション号のキャプテンだった。よく敵同士だったシャアとブライトがなぜ一緒にいるのか、最初は同組織にいたブライトとティターンズが後に敵同士になっているのはなぜかというのは、こういう経緯だ。ジェリドがカミーユの母が乗ったカプセルを撃ち落とした時に操っていたモビルスーツはハイザックだったと思う。これはジオンタイプのモビルスーツでなぜ連邦組織のティターンズがザク系のモビルスーツを使っているのかという疑問を当時の人は持ったかもしれない。1年戦争は連邦の勝利に終わって、ジオン共和国は連邦の統治下になったため、ジオンのモビルスーツ技術が連邦に移って、それをもとに連邦が新たなモビルスーツをしたため。わかりづいらいねー。ちなみにエゥーゴの戦艦やモビルスーツはスポンサーであるアナハイムエレクトロニクスが開発したもので、Zダンダムはリックディアスとガンダムマーク2のよいところあわせて作ったもので、そのプロトタイプが百式。ZZでガンダムチームに百式が入っていて、なぜ百式がガンダムなの?と思った人もいるかもしれないが、こういう理由である。逆襲のシャアで出てくるリ・ガズィ(Re-GZ)はZガンダムの量産機。名称はRefined Gundam Zetaの略。

表現もわかりづらいんだよね。

「本当に排除しなければならないのは地球の重力に魂を引かれた人間たちだろ!だけどそのために多くの人が死ぬなんて間違ってる!!」
「宙(そら)に上がった人たちは宙にこそ希望の大地があると信じた。そう考える方が自分たちを宙に追いやった地球のエリートたちを憎むよりもよほど建設的だと考えたのだ。人は地球の重力を振り切ったとき、新たなセンスを身に着けた。それがニュータイプへの開花へと繋がった。そういう意味では確かに宙に希望はあったのだ。」

やたら文学的というか、大人になるとこういう表現の方がいいと思うかもしれないけど、こんなの子供にいってわかるわけないねー。「地球の重力に魂を引かれた人間」なんてすごい表現というか、それって何だよ?って思いませんか?ティターンズのジャミトフとかバスクみたいに地球に寄生しているアースノイド至上主義者の連中の事です。Zは大人が見た方が面白いですね。

ストーリーは途中で第三勢力としてアクシズが登場。ティターンズとエゥーゴの闘争を好機としてアステロイドに逃れていたジオン残党は核パルスを使って小惑星アクシズを地球圏へと移動させ、主導権を握ろうとした。名目上のトップがザビ家の唯一の生き残りである正統ミネバ・ラオ・ザビ、摂政がハマーン・カーン。彼女が実質的な指導者。ニュータイプの少女で、ザビ家に弄ばれ、復讐のために新しいネオジオンブラッドを作ろうという実にくだらない目的のために戦争を始めた大変な愚か者。指導者だからか極めて高飛車で高圧的な人物。彼女の声は当時駆け出しだった榊原良子が演じたが、彼女はナウシカのクシャナもやったし、高圧的で偉そうな女性の役を演じる事が多いというイメージを持った。「俗物!」なんていうハマーンのセリフを聞くと、なんて偉そうなんだろうと思うだろう。このような異常なエリート意識を持つ別の重要人物がパプテマス・シロッコで、自分より優れた人物はおらず、自分は天才で、人類を導く絶対者になるという考えを持っている極めて自意識過剰な人物。「天才の足を引っ張ることしかできない俗人どもに何ができる!時代を動かしてきたのは常に一握りの天才だ!」とか、「何いってんだ、こいつ?」と思うような異常なほどの自信過剰。おまけにイケメンという設定のためか、女を自分の色気で誘惑して、たらしこみ利用するジゴロタイプでもある。サラ・ザビアロフ、レコア・ロンドなど、こいつに騙された女性は多かったかもしれない。レコア・ロンドは女であり過ぎたという原因もあるかもしれない。彼女はシロッコのためにエゥーゴを裏切ってティターンズに参加するのだが、「アーガマの男たちは私を女として扱ってくれなかった。私は今女としてとても充実しているわ。」などと言っていた。要するに女として男に愛されたい、具体的にはクワトロ大尉に愛されたいという気持ちが強すぎて、それをシロッコに利用されてしまった。自分は主義者ではないと言っており、ティターンズやエゥーゴの政治思想は彼女の戦う動機にはならなかったようだ。一番の動機は女として男に愛されたいという気持ち。その点、非常に奥手なエマ・シーンとは対照的で面白い。同じ寝返り組の女性で、恋愛において非常に対照的な二人だと思う。エマ・シーンの場合は軍人家系で厳しい教育のもとで育ったためか、お堅い性格で、男性経験なし。初代アーガマの艦長だったヘンケン・べッケナーに一目ぼれされ、プレゼントを送られたり、「放射能汚染が気になる・・・君が赤ちゃんを産めんようになったら・・・」「お茶しない?」など不器用で愚直なアプローチの数々に当初迷惑がっていたが、しだいにほだされてエマが「いざという時にデートできなくなったら困りますから。」とヘンケンにいってみたり、リメイク版ではエマの方からヘンケンの座席に寄り添うシーンがあるなど、二人の不器用な恋愛進展も面白かった。二人ともグリプス戦役で戦死したが、ぜひ生き延びて結婚して子供を作って幸せになってほしかった。

話の方はティターンズが二つのコロニーが連結していた構成だったグリプスを分離し、一方をコロニーレーザーに改良してグリプス2とした。一時期アクシズの手に渡った。これをブライト・ノアが考案したメイルシュトローム作戦によりエゥーゴが奪取。最後の決め手として使われた。三者会談がサラ・ザビアロフによるモビルスーツ狙撃で混乱し、どさくさに紛れてシロッコがジャミトフを射殺。ジャミトフに忠誠を誓うために出した血判状などシロッコにとって紙切れにすぎないと思っていた事が証明された。自分が射殺したのに「ジャミトフ閣下は名誉の戦死をとげられた!」と嘘をついてティターンズの全権を掌握。歯向かったバスクはシロッコの部下だったレコアが乗るパラス・アテネに戦艦を撃ち落とされ死亡。ティターンズは完全にシロッコの支配下となった。

最後の戦いはシャア、ハマーン、シロッコが操る百式、キュベレイ、ジオの対戦となり、発射寸前のグリプス2の中で死闘を演じるという極限状態の戦いに。「まだだ!まだ終わらんよ!」などというシャアのセリフはその時のもの。妙な基地一部のエリアでハマーンに追い詰められたシャアがショートしている部分をバルカンで打って爆発させ、死んだかと思われたが、実は脱出に成功していた。本放送のアニメでは脱出して無事だったことは描かれなかった。ファーストの最後といい、シャアは大爆発に巻き込まれ死んだかと思ったら生きていたという事が何度もある。逆襲のシャアの最後でアムロとともに消息不明になったが、死んだと思えない。死んだと思ってたけど生きていたというのがシャアだからね。この爆発からの脱出後にシャアはアクシズに潜入してミネバ・ラオ・ザビの拉致に成功。以来別の場所でミネバ・ラオ・ザビとともに一時期生活。ZZで出たミネバは影武者で、グリプス戦役以来本物は行方不明とされたが、前に書いたとおりシャアが拉致してしばらく一緒に暮らしていた。

戦いのために命をかけるというカミーユに対してシャアは「君みたいな若い者が死んで良いわけがない。新しい時代を作るのは老人ではない!」というセリフを述べた。カミーユは戦争を目的達成のための道具にしか考えていないシロッコみたいなやつは生かしておいちゃいけないと考え、シロッコとの最終決戦に臨む。カミーユはZガンダムにのり死んだ仲間たちの魂の力を吸収し、全ての力を解放してシロッコの乗るジオにウェイブライダー形式でつっこみ、コックピットを押しつぶしてシロッコを圧死させた。この時にシロッコの妙なサイキック力でカミーユは精神異常となり、それを確認したファがショックを受けた直後のシーンでラスト。グリプス戦役はメイルシュトローム作戦の成功で奪取したグリプス2によるコロニーレーザー射撃をティターンズの主力艦隊めがけて発射して、壊滅的な打撃を与える事でエゥーゴの勝利で終わった。しかし、エゥーゴは衰弱し、第三勢力たるアクシズが漁夫の利を得る形で地球圏への進行を開始する事になる。第一次ネオジオン抗争で、ZZの話。

結局ZZで描かれた第一次ネオジオン抗争もハマーンの部下だったグレーミ・トトの裏切りでネオジオン(アクシズ)が内乱状態になり、ほとんど自滅に近い形で終結した。エゥーゴと地球連邦軍はネオジオンとグレミー一派が潰しあって自滅するのを待っていただけだった。主人公のジュドー・アーシターはハマーン・カーンとの最終決戦に臨んで勝ったものの、最後のエゥーゴと地球連邦軍はずるい勝ち方だった。ミネバが影武者でグリプス戦役以来行方不明とわかって、「なんでそんな事が重要なんだ!」「いっぱい人が死んだんだよ!」と痛切に訴えるジュドーに対してブライトが「気持ちはわかるが、ここは俺を殴って気持ちを静めろ!」と述べ、本当にジュドーがブライトを殴り戦争が終結した。

ハマーンもシロッコも最後は主人公と戦って故人だちの霊的な力で金縛りにあった。結局それが主人公に味方して勝利をもたらしたといえる。人の意思がもたらした勝利だったかもしれない。ハマーンはジュドーが自分と同じくニュータイプであり同じ人種だという事で興味をもって、恋愛的な誘惑なのかよくわからないが、怪しげな態度で最後までジュドーを味方にしようとしていた。最終対決でアクシズの中のジュドーとはじめて会った場所に誘導するなど、怪しげな態度は最後まで続いたが仲間に引き入れようとするハマーンに対してジュドーは「あんたの存在そのものがうっとおしいんだよ!」といってハマーンの存在を否定する形で拒絶。「憎しみは憎しみをよぶだけだってわかれ!」というジュドーの言葉は現実世界でも当てはまる印象的な言葉だ。最終対決後にハマーンは「戻ってきて良かった。強い子に会えて良かった。」といってキュベレイーを自らアクシズにぶつけて爆死。享年22歳。あまりにもはやく逝ってしまった。

テレビシリーズはファースト、Z、ZZと進んだが、ストーリーが難解すぎる。エヴァンゲリオンに比べればまだわかりやすいが、難解すぎると子供にはわかりまんよ。エヴァンゲリオンもそうだが、難解なストーリーだからいいという人もいるので、なかなか難しいですね。ファーストとZはシリアスな展開だったが、ZZは子供向けのコミカルな内容にした部分もあった。それでもストーリーはわかりづらい。エヴァンゲリオンはもっとわかりづらい。人類補完計画、S2機関、生命の実、知恵の実、白き月、黒き月、アンチ・ATフィールド、セカンドインパクト、アダム、リリス・・・複雑すぎていったい何なんだと思う内容です。

あなたは難しいストーリーが好きですか?


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