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研究不正行為者氏名、事案公表原則の規定違反が多いことについて

研究不正の公表をみると、文科省ガイドラインでは不正行為者の氏名公表が原則なのに非公表にする研究機関が多いと思う。神戸学院大学の不正の規定18条では不正行為者の氏名公表が原則である[1]。しかし、神戸学院大学で論文10編で改ざんなどを行った研究者は辞職したことを理由に氏名非公表とされた。これにPEACEが抗議した[2]。不正な動物実験で公表された論文を明らかにせず、さらに不適切な動物実験が行われたら非常にまずい。動物にとってみると極めて酷い行為なのだから、無意味で不適切な研究のために命を犠牲にするのは可及的に避けなければならないという考えはわかる気がする。だから不正論文を明らかにすべきということで、もともと規定上も研究不正の論文をきちんと明らかにすべきなのだが、大学は規定に違反して公表しなかった。

もっとも不正行為者は特定されている

他にも滋賀医科大学昭和女子大学は不正行為者の氏名を非公表にした。東北学院大学なんて不正行為者の氏名どころか事案さえ公表しなかった。これでは何も公表していないに等しく、再発防止策や原因の検討もできない。これらは全て文科省ガイドラインに違反している。

不正行為者の氏名公表などは米国でも同じで国際的にも全く珍しくないS東北大学循環器内科教授の捏造や処分も実名で公表されている。日本の規定でも不正行為者の氏名や事案公表が原則なのに、各研究機関は適当な理由をつけては規則を歪めて運用している。特に東北学院大学の事案さえ公表しないというのは公表の意味がなく、規則無視も大概にしろといいたい。

悪意通報者の認定例はないが、調査実施の研究機関に所属していなければ同様の理由で氏名非公表になるのだろうか。たぶん非公表にしなさそうな気がするなー。

研究不正のガイドラインや内部規定なんて紙切れ同然で、好き勝手に扱っているのが実態じゃないか。全然公正ではないので必ず改善して実効性のある規則にする必要がある。ずっと前から言っていることだが。

参考
[1]神戸学院大学の研究不正規程 2019年10月29日閲覧
[2]PEACEの記事 2019年10月29日閲覧


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