STAP細胞の再現性がない事が公表され理研を退職した小保方晴子。世界三大不正と言われる不正の主犯が復活する事ができるか。一般には非常に難しいと思える。しかし現に復活した人物もいる。2004、5年に人クーロン胚からES細胞を作ったと発表したファンウソクは捏造が認定され失脚した後に研究者として復活した。この事件は世界三大不正の一つで研究不正事例としてよく紹介される。ファンウソクは捏造でソウル大学教授を懲戒免職となり、研究費詐取や生命倫理法違反の疑いで起訴もされ、懲役1年6ヶ月、執行猶予2年の判決が確定した[1]。
しかし支援者たちが2006年7月に350万ドル相当の基金を集めて「スワム生命工学研究財団」を作って、ファンウソクを救った[1]。韓国仏教の8割以上を占める曹渓宗の一部が熱烈に支援しているという[1]。そこで研究を続けている[1]。ファンウソクは捏造の発覚まで韓国の英雄で、ファンウソクの特別記念切手などが作られたほど[1]。捏造発覚後も根強い支援者たちがいた(関連)。ファンウソクは今もヒトクローン胚ES細胞を作ったと主張しているらしく、捏造を認めていない[1]。
この構図は小保方晴子の時と似ていると思う。リケジョのスターとして大きな賞賛を得た後、論文データの捏造等が認定されても支持する人たちが存在し、STAP細胞の再現性が否定されても熱烈な支持者がいる。捏造を認めず、幸福の科学という宗教団体が小保方晴子を支援している事もファンウソクの例と共通する。案外、小保方晴子もこうした熱烈な支持者によって研究者として復活できるかもしれない。幸福の科学大学を文科省が認めなかったが、将来支援者が資金を出して小保方晴子に研究を続けさせるかもしれない。この事件はファンウソク事件だけでなくヘンドリック・シェーン事件やスペクター事件とも似た部分があり、歴史は同じ事を繰り返すのかもしれない。
参考
[1]クローンES細胞論文を捏造した黄禹錫博士の「復活」 yahooニュースの記事 2014.10.3、オリジナルはWEBRONZA 韓国に見る「論文不正のその後」 2014.9.8