論文撤回数のトップ10、日本人が高順位にランクイン

Retraction Watchが論文撤回数の現在のランキングリストを公表（写し）。

Yoshitaka Fujii (total retractions: 183) Joachim Boldt (89) Peter Chen (60) Diederik Stapel (54) Shigeaki Kato (36) Hendrik Schön (36) Hyung-In Moon (35) Naoki Mori (32) Scott Reuben (22) John Darsee (17)

1位は藤井善隆。2位のヨアヒム・ボルト（写し）を約100編以上上回る世界記録捏造。上位2人は麻酔科医。5位が加藤茂明（元東大分生研）。8位が森直樹（琉球大医学系）。私が確認した中では高井教行（元大分大）は捏造、改ざん論文を21編発表したので、10位にランクインするだろう。上のリストはRetraction Watchが認知した中での記録だから、他に探せばランキングは変わるかもしれない。

最近紹介した鳥巣京一（元福岡市博物館学芸員）は紀要の論文、解説25編が盗用で取り下げられた。これもランクインするかもしれない。研究不正で有名なエリアス・アルサブティは論文60編以上を盗用（写し）。アルサブティの論文は現在も撤回されていないものがあるらしい。

探せばランキングは変わると思うが、藤井善隆の記録を超える人はいないだろう。

私は上のランクで4，9，10位以外の人は皆知っている。3位のピーター・チンと7位のムン・ヒュンインは自作自演査読で論文が撤回された。1、2、5、6、8位の人は捏造、改ざん。5位のヘンドリック・シェーンはベル研の高温超電導体の捏造実行犯でネイチャーとサイエンスの論文が合計15編撤回になった。小保方晴子のSTAP細胞事件、ファンウソクの人クローンES細胞捏造事件と並んで世界三大不正の一つと言われるが、質や量の点からいってシェーン事件が史上最大の捏造事件だと思う。

当たり前だが、上のどの事案も非常に悪質な研究不正で、よくぞここまでやったと驚くものばかりだ。藤井善隆の不正は澄川耕二氏（調査結果公表時、日本麻酔科学会副理事長）が「想像を絶する悪質さ」と語った（写し）。

トップを含めて日本人が多いというのが不名誉ですね。

参考
[1]白楽ロックビル氏のサイトで別のランキングがある。2015年6月17日現在は以下のとおり（写し）。

Yoshitaka Fujii (撤回論文数: 183、日本) 。出典: Final report of investigating committee, our reporting Joachim Boldt (89) 。出典: Editors in chief statement, additional coverage・・・ヨハヒム・ボルト （Joachim Boldt）（独） Peter Chen (60)。出典: SAGE・・・工学（台湾） Diederik Stapel (54) 。出典: Our cataloging・・・ Shigeaki Kato (36、日本) 。出典: Our cataloging Hendrik Schon (36) 。出典: PubMed and Thomson Scientific・・・物理学（米） Hyung-In Moon (35) 。出典: Our cataloging・・・ヒュンイン・ムン（Hyung-In Moon）（韓国） Naoki Mori (32、日本) 。出典: PubMed, our cataloging Scott Reuben (22) 。出典: Anesthesia & Analgesia・・・スコット・ルーベン（Scott S. Reuben）（米） Friedhelm Herrmann (21) 。出典: PubMed・・・フリードヘルム・ヘルマン（Friedhelm Herrmann）（独）  John Darsee(17)
Wataru Mastuyama(日本)(17)
Alirio Melendez・・・アリリオ・メレンデス（Alirio Melendez）（シンガポール）(17)
Robert Slutsky (17) Ulrich Lichtenthaler (16)・・・経営学（ドイツ） Silvia Bulfone-Paus (13)・・・シルビア・ブルフォーネ＝パウス（Silvia Bulfone-Paus）（ドイツ） Jesus Angel Lemus (12) Anil Potti (11.5、部分撤回を0.5とした)・・・アニル・ポティ （Anil Potti） (米)