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現行の研究不正調査制度や裁判の改善を

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現在の研究不正の調査制度はまだまだ不十分だ。

某国立研究所の調査を見ると、委員が外部者で構成されていても、研究所の影響を強く受けていて公正な調査でないと思う。例えば何度もES細胞が混入されたのに、故意か過失かわからないという判断は適切な判断ではない。何度も混入され、都合のいい結果が出るのは常識的には絶対なく故意が認定されて当然だ。この調査は研究所の影響を受けて、極めて明白な証拠がないと不正と認定しないというスタンスだったので、O 30代女性研究者が自白するなど明白な場合に限って不正が認定された。不正を認定する基準が厳しすぎ、本来ならもっと不正が認定されなければいけない。実際の不正公式認定よりもっと多かったに違いない。

これは裁判で立証責任が研究所側にあり、証明の要求程度もかなり高い基準が要求される事も影響している。私は現行の裁判の仕組みは必ず改善しないといけないと思う。証拠が被告発者や研究機関に偏っていて、ガイドラインでも被告発者に立証責任があるのに、裁判では原則通りの立証責任や証明度を要求する。そのため、現在では被告発者が自白するか、不正を実行しているところを録画する、目撃するなど極めて明白な証拠がないと不正が認定されず、事実上被告発者が否定すると不正を認定できないという不条理な結果になる。

O 30代女性研究者の例はその典型だ。私はこれでは絶対にまずいと思う。

それに某元学長の裁判等をみると研究不正の問題を適切に判断できる能力を裁判官が持っていないと思う。憲法では終審以外なら行政機関も裁判する事も認められているから、研究不正の専門の裁判機関を学術機関に作った方がいいかもしれない。その際に不可欠な事は独立性を強く保障することだ。某国立研究機関の第三者調査委員会のように第三者とは名ばかりで、研究所から強く影響を受けていると公正な調査ができず、まったく意味がない。某元学長の一部の研究不正も某国立大の第三者調査機関で調査され数年が経つが、形式的に第三者というだけで、大学からの影響を強く受け、公正な調査結果が出ないおそれがある。正直いって私はその可能性が高いと思う。そもそも調査結果を出すつもりがあるのか。

裁判での立証責任をガイドラインに合わせて被告発者に負担させたり、証拠の偏在に合わせて立証責任を分配したり、証明の程度を現実にあわせてもっと下げないと裁判でも研究機関の調査でも公正さが実現できない。また、研究機関の調査は被告発者の所属機関や被告発者の影響を受けない第三者調査機関が規則に従って行える制度を作らないといけない。


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