竹村茉莉(Mari Takemura、その1、その2、その3、その4、その5、その6、学歴(写し)、その他(写し)、facebook)元大学院生とその指導教授の平松幸男(Yukio Hiramatsu、大阪工業大学専門職大学院知的財産研究科教授)は2編の論文で不適切引用を行ったとして公式に公表された。不適切引用とは端的に言って剽窃だが、大阪工大の公式発表では研究不正として剽窃ではないという。著作権法に反した無断引用だから、一般的意味では剽窃、盗用と言っていいだろう。
公式発表によると盗用論文は
竹村茉莉(たけむら まり)、平松幸男(ひらまつ ゆきお)、高橋寛(Hiroshi Takahashi、大阪工業大学知的財産研究科教授)
「通信・放送融合における著作権問題―裁判例と各国の比較から導く日本著作権法のありかた―」
電子情報通信学会信学技報、2012年3月
平松幸男(Yukio Hiramatsu)、竹村茉莉(Mari Takemura)
「IPTVサービスにおける著作権問題-デジタル映像コンテンツの流通促進に向けて-」
電子情報通信学会信学技報、2012年5月
公式発表によると竹村茉莉(たけむら まり)は厳重注意、平松幸男(ひらまつ ゆきお)は懲戒処分、東京地方裁判所において審理が進められ、2015(平成27)年3月27日に共著者の2名に対して氏名表示権侵害を認定する判決が下されたという。
不正行為を指摘し、提訴したのは鈴木雄一氏。氏の記述によると
『特に「剽窃とまでは言えないものの、引用に際して出所を明示することに不適切なところがあった」とする結論部分は、到底納得できないし、甚だしい見当違いでもある。
平松教授らが行った不正行為は、明らかに剽窃であり、この結論のような軽微なものでは断じてない。
この不正行為は、知的財産専門職大学院の教授と大学院生が、著作権をテーマにした論文において、他人の著作権を侵害するという前代未聞の事案なのである。 』(BLOGOS 2015.10.2)
不正行為の態様はリンク先。鈴木氏によると盗用論文はどちらも全体の20%以上が盗用だった。さらにもっと不正行為があるという(写し)。
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さて、さらなる事実に踏み込みたい。今回の大工大ウェブサイトに掲載された不正行為は、平松教授と元大学院生による不正な共著論文の執筆に限定されているが、実は不正行為は、これにとどまらない。
問題となった不正論文2編のベースとなっているのは、当該大学院生が大工大知的財産専門職大学院で所定の学位を取得するために執筆した「特別研究論文」なのである。
この特別研究論文は、通常の大学院修士課程における修士論文に近い性格のものであるが、大工大ウェブサイトによれば、「特別研究論文を弁理士の業務に関わる特定の法律分野で書いて特許庁審議会の審査に通れば弁理士試験の二次試験の一部免除が終世認められ」(http://www.oit.ac.jp/ip/graduate/carrer/benrishi.html)るため、公的な役割を有する論文でもあるといえる。 当該元大学院生は、こうした公的な意味合いの強い特別研究論文においても、他人の著作権を侵害しているのである。なぜなら、訴訟の第一審において、大工大と平松教授および元大学院生は、特別研究論文のなかに私の論文における表現が使われていることを認めているからである。 しかし、今回の大工大ウェブサイト上で公表された文章は、この特別研究論文のことに一切言及していない。
特別研究論文の概要は、大工大大学院知的財産研究科のウェブサイトに掲載されている。 (http://www.oit.ac.jp/ip/graduate/education/abst.html)
上記サイトの「特別研究論文一覧(指導教員別)」のコーナーで、「平松幸男」という氏名をクリックすると、2006年度から2014年度までの修了生の研究題目が掲載されている。ここで、2011年度の研究題目をみると、「通信・放送融合の著作権問題について-裁判例と各国の比較から導く日本の著作権法の有り方-」と いう特別研究論文が目にとまる。この題目の横にあるクリックボタンをクリックすると、概要文へリンクが張られている。そこには、当該大学院生の氏名と、特別研究論文の概要が記載されている。この特別研究論文の題目は、前述の平松教授らによる共著論文1の題目と同一である。
このことから、共著論文1は、この特別研究論文をベースにして書かれたことが容易に推察される。現に、平松教授は、2012年8月に行われた私との面談時 に、当該特別研究論文の一部あるいはサマリーのようなものが共著論文2編の母体になっていることを認めている(第一審で原告証拠として提出した反訳書9 頁)。ちなみに、当該元大学院生は、平松研究室に所属し、平松教授の指導下で特別研究論文を書いている。
(中略)
なお、訴訟の第一審において大工大側が提出した書面のなかに、当該元大学院生は「専門職学位課程を修了し専門職学位を取得している。」という記述がある。 すなわち、弁理士試験という国家試験の一部免除を受けるための要件となっている公的要素の強い論文において、他人の著作権を侵害するという不法行為が行わ れているにもかかわらず、こうした論文が大工大において認定され、所定学位が授与されているわけである。このようなことが許されてよいのであろうか。
私は、大工大および平松教授らに対して、当該特別研究論文の開示を請求したが、大工大および平松教授らは、これを拒んでいる。
(中略)
本来、知的財産、とりわけ著作権を研究する研究者は、論文剽窃・コピペといった不正行為は著作権侵害として違法であることを、社会や学生に対して啓発すべ き立場にある。こうした立場の知的財産専門職大学院の教授とその指導下にある大学院生が、「著作権」をテーマにした学会投稿論文や学位論文において大量に 違法なコピペを繰り返したというのが、本件事案である。
したがって、大工大が本件事案について、前述したような理解し難い結論をウェブサイト上で公表したことと、当該元大学院生の執筆した不正な特別研究論文に関して一切言及していないことについては、極めて不当な対応であるといわざるを得ない。
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(BLOGOS 2015.10.2)
要する竹村茉莉(たけむら まり)の学位取得の特別研究論文にも盗用の疑いがあり、不正取得による学位で弁理士試験の二次試験の一部免除が認められているという事。これは不正行為の連鎖といえる。特別研究論文の一覧(写し)と竹村茉莉(たけむら まり)の特別研究論文概要(写し)。竹村茉莉(たけむら まり)の弁理士登録は確認できない。鈴木氏は引用元文章で元大学院生と書いているが、言及内容とリンク先の特別研究論文に関する情報をあわせると竹村茉莉(たけむら まり)と簡単にわかる。
鈴木氏の文章を読むと、竹村茉莉(たけむら まり)と平松幸男(ひらまつ ゆきお)の盗用と大阪工業大の調査、学位認定に対して強く憤っているようだ。一審判決に満足していないので、控訴し、知財高裁で係属中。訴訟の詳細な経緯は今後も紹介するという。ネットで不当さを訴える文章を公表したのも怒りと大阪工大への抗議の意味があったのだろう。ネットで訴えないと解決しないと思ったのか。調査期間が2012年7月20日~2015年4月30日で、約3年。控訴審に係属する程時間が経過した。大阪工大の調査はなぜこんなに時間がかったのか。
前に金沢大学の論文盗用事件で刑事告訴後、不起訴になった検察審査会で不起訴不当となった事がある。たぶん鈴木氏は竹村茉莉(たけむら まり)とと平松幸男(ひらまつ ゆきお)を刑事告訴していないと思う。このように論文盗用で訴訟になるケースもある。
著作権等を扱う知財専門職大学院の元大学院生と指導教授が盗用。不正な手法で得た学位で弁理士試験の2次試験が一部免除。確かに悪い。昨年もO 30代女性研究者の学位論文と某有名大学の不当な調査や裁定に強い批判があった。東大では学生のレポートの盗用で、不正があった学期の全単位が無効になった事件があった。
研究不正に対する世間の目は厳しくなったと思うが、これまで紹介した未解決研究不正事件はいくつも解決していない。こちらは対照的。
いろいろ改善されるとよい。