呉明璽(う みんしー、ご めいじ、女性、社会科学、不正公表時33歳、現在約38歳、中国人、北朝鮮出身、経歴)元広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期国際社会論専攻院生が著書と博士論文を盗用した。博士号取消し、著書は絶版廃棄。これは広島大学初の学位取り消し。
不正行為の概要(写し)と博士取り消し公告 - トップ(写し)、浅原学長コメント(写し)、広島大学における研究活動に係る不正行為への対応に関する規則、広島大学学位規則、広島大学通則、広島大学大学院規則、
不正博士論文
呉明璽 「中国の中小企業信用保証制度に関する研究」 広島大学、博士(学術)、甲第4172号、2007年3月7日
著書の盗用と絶版廃棄公告と不正著書
呉明璽 「中国の中小企業信用保証制度」 溪水社 2009年7月7日
公表日 2011年1月18日
学位取り消し日 2011年1月18日
発覚の経緯 2009年8月25日に自己申告のメールで発覚。メールには駒形哲哉氏(慶應義塾大学)から呉明璽の著書は駒形氏の著書から盗用がある旨の指摘があったと言及。呉明璽の著書は同人の博士論文を基に作成。
盗用の態様 調査概要を参照、参考。
不正の原因、動機 「時間的な余裕がなく、不注意で引用部分の記載を忘れた」(Jim 通+ 2011.1.27)
※不注意による引用忘れという弁明はよくあるので、鵜呑みにできない事に注意。
呉明璽は2009年8月頃上海社会科学院研究者(講師)だったらしいが、現在は不明。呉明璽は不注意で引用の記載を忘れたと主張したが、盗用量が多いので引用ミスという弁明では盗用の責任を免れない。
最近紹介した不正では、文系で中国人女性の盗用による博士取り消しが多い。具体的には呉明璽、牛志玲、黄婕。性別はともかくこれは偶然か。牛志玲の紹介の時にも言及したが、以前に中国人留学生の晏英の博士を盗用を理由に早稲田大学が取り消した時に、引用方法が不適切だったのは日本と中国の慣習の違いに基づくもので盗用とすべきでない事や慣習や文化の違いを理解せず教育しなかった事の責任に対する批判が出た(関連)。
思うに、学位取り消しはめったになく、牛志玲、呉明璽、晏英の博士取り消しは各大学初の博士取り消し。これは発生率としては高頻度ではないか。正直いって、私は中国の文献利用に対する慣習や考え方はわからないが、慣習や考えの違いで盗用が起きた可能性は否定できないから、留学生には特に引用方法や承諾に関する教育を行う事が重要ではないか。
これから大学はどんどん国際化するので、各大学はその点をよく留意して倫理教育や不正防止に取り組んでほしい。