Quantcast
Channel: 世界変動展望
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2104

白楽ロックビル氏の研究不正に対する活動の素晴らしさ、予算や教授職を!

$
0
0

白楽ロックビル氏(お茶の水女子大学名誉教授)の研究不正に対する活動は素晴らしいと思う。「研究倫理」において海外の研究不正事例を詳細に解説し、研究不正の定義や防止活動、問題点などの解説も詳しく、研究不正の調査研究に非常に役立つ。よくここまで詳しく情報を集められると感心する。最近大隅典子氏(東北大学医学研究科教授、元日本分子生物学会理事長)もバイブルと称賛されている黒木登志夫氏の「研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用」(中公新書)でも多数白楽ロックビル氏のサイトが参照されている。

研究不正の解説という点でこれほど質の高いサイトは他にないだろう。

日本では研究不正の専門家は少なく、ハラスメント等の要因で扱いたがらない。白楽ロックビル氏も「数度、脅迫(のような行為)を受けている」という。そんな中でこれほど詳細な解説サイトを運営するのは将来の研究公正の点で非常に貴重な活動である。

白楽氏によると「同時に、社会システムとして、信頼に足る能力・技術・注意力を持つ人、つまり、研究倫理を専門とする相当数の大学教員(批判能力のある専門家)の存在が必須である。

その大学教員の何人かは、政府系組織の言動・報告書を調査・研究するだろうし、必要なら、批判するだろう。批判しないまでも、批判を意識して、政府系の調査委員はいい加減な調査・判断をしにくくなる。システムが向上する。

この点、米国は政府系の研究公正局と研究倫理を専門とする大学教員のバランスがいい。

日本は、米国の研究公正局に相当する政府系組織がないことで研究ネカトの対処に不備を生じている。もっと重要なことは、研究倫理を専門とする専門家・大学教員がほとんどいないことで、これは、10年程度の将来を考えると、かなり問題である。」(研究倫理より)

リトラクションウォッチは40万ドルの予算を獲得した。研究不正に対する質の高い活動をする白楽ロックビル氏にぜひ大学教授職や予算を与え、研究公正活動を推進して頂きたい。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2104

Trending Articles