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田口一美 元広島大 人工心臓の世界記録等の捏造、辞職!

田口一美Kazumi Taguchi経歴、不正当時 57歳、現在 約90歳(存命の場合)、心臓外科及び人工臓器) 元広島大学医学部外科第一教室教授が牛の人工心臓の実験データを捏造し、辞職した以後、消息不明。当時は人工心臓の存命記録の競争が激しく、世界記録等を捏造した。

田口一美は研究費の獲得のために捏造したと述べた。読売新聞の推測では当時人工心臓の分野で最先端を走る米国に遅れていたので功を焦ったのではないかと報道された

不正行為発覚時 1983年12月16日頃
不正の態様 下の新聞記事を参照。
研究不正の動機、原因 研究費獲得のため。人工心臓の生存期間の競争激化。人工心臓の分野が米国に比して遅れている事による焦り。

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読売新聞 1983年12月16日 朝刊 1面

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読売新聞 1983年12月16日 朝刊 22、23面

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読売新聞 1983年12月16日 夕刊 1面

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読売新聞 1983年12月16日 夕刊 15面、広告等の削除あり。

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読売新聞 1983年12月17日 朝刊 1面

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読売新聞 1983年12月17日 朝刊 9面

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読売新聞 1983年12月17日 夕刊 1面

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読売新聞 1983年12月17日 夕刊 15面

この事件は読売新聞がスクープした。記事を読むと熱心に調査した事がわかる。数々の記録や証言から不可能な実験や架空記録等が明らかになった。田口一美は1%の粉飾はあるが99%は正しいと述べ、結果の正しさを強調した。現在でも結論は間違っていないから不正でないという言い分けは小保方晴子等の多くの不正行為者が述べた。この事件は小保方晴子が生まれた年の大事件だが、その時から現在まで全然変わっていない。

研究費の獲得のために不正をする等も現在まで変わっていない。読売新聞の報道の仕方をみると当時は大事件として扱われたのかもしれないが、現在でも悪質な研究不正が繰り返されているのだから、結局他の機関や研究者にとっては対岸の火事で再発防止をきちんと行わなかったという事かもしれない。

読売新聞1983年12月16日朝刊23面によると田口一美は科学研究費を4900万円申請したのに80万円しか認められず、削減されたのは人工心臓による生存記録がおかしいといううわさがあるからだと聞いたので捏造してしまったと回答。

研究不正のうわさで公的研究費の申請に支障が出る事があるのかわからないが、田口一美は捏造した結果生じたうわさを消すためにさらに捏造した。一度不正に手を染めると次々に不正を続けてしまう例かもしれない。

読売新聞1983年12月17日夕刊1面によると、捏造データを科学研究費の申請に使うと補助金適正化法違反になるので広島県警が同法違反の容疑で捜査したらしい。私はディオバン事件以前に研究不正で刑事捜査された例を知らなかったが、ディオバン事件の30年前に刑事捜査された。

現在の補助金適正化法でどのような扱いになるのかわからないが、現在では不正な方法で公的研究費を得ると罰則がある。刑事罰になるのかはわからない。昔、某大学の捏造事件で補助金適正化法に基づいて文科省が立ち入り調査する事もあり得ると報道された事があるが行われなかった。私は法律があるだけで使われていないものだと思っていた。

読売新聞1983年12月17日夕刊15面によると、田口一美が公的病院に給料を負担させて大学に籍のない技師等を雇って実験をやらせていた事も報じられた。当時の過疎地域の病院は医師確保が難しく、大学に医師を派遣してもらう見返りに技師等の給料を肩代わりした。大利茂久 戸河内町国保病院長(69歳、1983年当時)は「きれい事で過疎地の病院経営はできない。」(読売新聞1983年12月17日夕刊15面)と述べたが、弱い立場の人や団体が不正な事をしなければならないのは可哀想だと思うところもある。

確か福島の原発事故の時も放射線計測をごまかすために鉛のカバーに線量計を入れて自分の被ばく量をごまかした事があった関連)。これも弱い立場の企業が仕方なくやってしまった事件だった。

私はこのような時にどうすれば不正を防げるのかわからない。また、弱い立場の人たちが仕方なく不正をした場合にどう対応していいかわからない。どんな立場でも不正は許されないと言うのはたやすいが、どんな人でも弱い立場になったら生きるために不正をやってしまうかもしれない。これは難しい問題だ。

この問題は将来また検討するかもしれない。


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